専門職業人の養成に力
兵庫大学

専門職業人の養成に力

看護学部、生涯福祉学部、現代ビジネス学部など看護や福祉、教育などに関連する1研究科4学部6学科の大学院と大学、短期大学部から成る兵庫大学。人間教育に力を入れると同時に、東播磨で唯一の大学という特性を生かし、地域に根ざした学びに力を入れている。専門職養成教育を核に、教育の高度化、研究機関としての充実を図り、存在感のある大学への進化を目指している。

「多職種連携教育」を開始

学科の枠を超えて行われる「多職種連携教育」。他学科学生の専門的意見をまとめ、よりよいケアプランを作成する どんな生活上の問題も、1人の専門家の力だけでは解決できない。患者の退院後の生活を考えても、医療、看護、福祉、経済…と、さまざまな要因が絡む。
そこで同大学では「地域社会において連携と協働を学ぶ」を目的に、学科の枠を超えた「多職種連携教育」を昨年度からスタートさせた。
第1回のテーマは「入院患者が退院して地域で生活を続けるための支援計画立案の議論」。看護学科、健康システム学科、栄養マネジメント学科、社会福祉学科、こども福祉学科、経済情報学科、保育科の学生各1~2人ずつ計8人5グループが参加。患者に扮(ふん)するのは教員や大学スタッフ。「心不全で入院。年金生活者で、息子夫婦と同居し障害のある孫がいる。貯金額3000万円」などの具体的な設定で、病室を再現したシミュレーションセンターで患者から退院後の希望などを聞き取り、議論を通してケアプランを作成する。
普段交流することの少ない各学科の学生同士が専門性を理解した上で演習や議論をすることは、貴重な学びの場となる。
「多職種連携教育はチーム医療の重要性から医学部で行われることが多いが、他の学部では珍しい。学生の視点が専門分野以外にも広がり、連携と協働の大切さを理解する経験になる。学科の枠を超えた教育を継続していきたい」と大植崇看護学科講師は話す。

現代ビジネス学部現代ビジネス学科「プロジェクト型学習」

地域への視点 体験で培う

学生チームが地元企業を訪問し交流。依頼され作成した会社案内を贈呈した(志プロジェクト) 地域に軸足を置き、グローバルな視野を持った、地域活性化を担うビジネスリーダー育成を目指す現代ビジネス学部現代ビジネス学科は、「グローバルビジネス」「地域ビジネス」「公共政策」の3専攻からなる。
企業や地域の課題解決を学生たちが考え、行動する「プロジェクト型学習」を一昨年から始めた。初年次から必須科目として導入し、多くの演習で段階的に実践力を身に付ける。
1年生は課題解決のプロセスや手法を学んだ上で、プロジェクト演習に取り組む。本年度の演習のひとつは「大学祭カンパニープロジェクト」。会社を設立し、資金集め、大学祭出店、決算書作成、株主総会などを体験する。

各世代が集まり議論、協力して地域の子どもを見守る「加古川てらこやプロジェクト」 2年生は学内で開催される「現代ビジネスプラン・コンペ」の計画づくりと広報、運営などに挑戦。3年生は学外に出て、地域と連携するプロジェクト演習を年間で実施する。今年は地元企業を訪問して会社案内を作成する「志プロジェクト」▽大学生と子ども、大人の3世代が協力して地域の子どもを見守る「加古川てらこやプロジェクト」▽商店街でテント店舗を立ち上げる「高砂銀座商店街プロジェクト」―が課題だ。
プロジェクト型学習で、社会人の基礎力である「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」を育む。「仲間と協力して成功体験を積むことは座学ではできない経験。将来どんな分野に進んでも、地域への視点はビジネスの基本になるはず」と現代ビジネス学部長の榎木浩教授。

こども福祉学科・フィンランド研修 保育者としての視野拡大

地元大学を訪問し講義を受け学生と交流、保育現場も見学した=フィンランド・エスポ-市 生涯福祉学部こども福祉学科では、保育・教育の分野で先進的な取り組みを行うフィンランドで研修を実施している。首都ヘルシンキ近郊のラウレア応用科学大学で講義を受け、保育現場の視察も行う。海外経験で保育者として広い視野を獲得することが目的だ。
3月の研修には16人の学生が参加。2日間にわたってフィンランドの幼児教育・保育に関する講義を英語で受講し、2カ所の保育園を見学した。その一方で、学生は「日本の幼児教育現場におけるアニメーション」「日本の折り紙」などについて英語でプレゼンテーションし、現地の大学生と交流会で親睦を深めた。
「学生は日本との違いを肌で感じた。子どもを大切にするのと同様に、職場環境にも配慮し、保育者も大切にすること、子どもの自立心をどのように育むかなど、私たちが取り組むべき課題も見えたと思う」と澤田真弓こども福祉学科准教授。「研修旅行を通じて学生の成長を感じる。保育分野にとどまらず、海外へ視野を向けるきっかけにもなる」と斎藤正寿同学科准教授は成果を語る。

短期大学部保育科 豊富な実習体験で成長 8年連続で就職率100%

保育士と幼稚園教諭のダブル取得も可能な「短期大学部保育科」 約60年の歴史を持つ短期大学部保育科。2年間で学ぶ「第一部」、3年間でゆとりを持って学ぶ「第三部」の二つの履修スタイルを選択でき、いずれも保育士資格と幼稚園教諭2種のダブル取得が可能だ。
実際に子どもと触れ合う実践的な教育に力を入れており、1年次から付属幼稚園や保育所などを見学。春の運動会の練習に保護者役で参加し、親子競技に挑戦。学内イベント「キッズガーデンin兵庫大学短期大学部」などでも子どもとの触れ合いを重ねる。付属幼稚園でのボランティア活動もよい経験になる。
「単に『子どもが大好き』という気持ちで入学した学生たちが、次第に保育者のまなざしになる。実習体験が成長につながっている」と三宅一郎短期大学部長・保育科教授は語る。
保育士・幼稚園教諭に必須のピアノ指導も手厚く、個人レッスンでレパートリーを増やす。「保育内容・言葉」の授業では指導法を考えながら創作絵本を作成。関連の座学も充実している。
就職率は8年連続100%で、多くの卒業生が保育士や幼稚園教諭として活躍。在学生との交流会では就職の助言などの交流が繰り広げられる。卒業生にはキャリアアップ講座などでフォローアップを行っている。

学長に聞く

実践教育で人間性磨く

河野真学長
―大学の特徴は。

創立以来変わらない建学の精神「和」を実現するため人間教育を重視し、「人間力」と「応用力」を備えた専門職業人の育成を目指します。知識やスキルだけでなく、豊かな人間性を身に付け、環境の変化にも柔軟に対応して力を発揮できる素地(そじ)を育みたいと考えています。そのため、現場での実践的な学びも豊富に展開しているのが特徴です。

―具体的な取り組みは。

医療と看護、福祉、栄養、幼児教育など「隣接学科」がそろう強みを生かし、学科教育をオーバーラップさせて多職種連携にも対応できる人材を育成したいと考えています。例えば看護の知識を持つ幼稚園教諭、栄養学に理解のあるスポーツトレーナーなど、幅広い見識を持つ専門職の輩出を目指します。応用力を高めるためには座学だけなく、実践的な経験を積むことが重要です。東播磨で唯一の大学として地域連携を積極的に進めており、20の行政機関や事業者などと連携協定を結び、学びの機会として活用させていただいています。また、地域の方の生涯学習に貢献するため、学内にエクステンション・カレッジを持ち、130の講座を実施しています。幅広い年齢層の方がキャンパス内を行き交うオープンな大学です。

―理念を表す言葉として「ありがとうのプロフェッショナルへ。」を定めました。

感謝の気持ちを抱きながら仕事をさせていただき、他者に心を寄せてお互いに認め合い大切にし合う。そんな素晴らしい人生を送ってほしいとの思いを込めました。地域への感謝の気持ちも忘れず、地域からもっと頼られる大学に進化させたい。最高学府として研究力を高め、大学院の増設も視野に入れています。

在学生からのメッセージ

体験型の学び生かして

健康科学部(看護学部に改組)看護学科4年 田中伶奈さん(21)

養護教諭になりたくてオープンキャンパスで体験授業を受けたのが、兵庫大学を選んだきっかけです。入学後、病院などで実習を積むうちに看護師の仕事に興味を持ちました。特にオペ(手術)室の看護師さんの技術や人間性を見て、将来はオペ室のナースになろうと目標を定めました。公衆衛生の授業で加古川市内を自分の足で歩いて調査したり、「多職種連携」の模擬体験で他の学科の学生と意見を交換したりと、多くの体験を積むことができました。この経験は将来、社会に出たときにきっと役立つと思っています。

大学概要

住所 加古川市平岡町新在家2301
アクセス JR神戸線「東加古川駅」徒歩12分、JR「東加古川駅」、山陽電鉄「高砂駅」「別府駅」、神戸市営地下鉄「名谷駅」「学園都市駅」よりスクールバス運行
学部(本年度定員) 大学=現代ビジネス120人、健康科学120人、看護90人、生涯福祉80人▽短大=保育科第一部100人、保育科第三部80人
教員 教授51人、准教授35人、講師26人、助教2人、助手9人
在学生 1641人
ホームページ http://www.hyogo-dai.ac.jp/

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