無限の才能を引き出す
大阪芸術大学短期大学部

無限の才能を引き出す

演劇、音楽、美術などの芸術界に多彩な人材を輩出し続けている大阪芸術大学。同じ学校法人が運営する大阪芸術大学短期大学部が伊丹市にある。キャンパスは敷地面積約3万平方メートルと広々とした造り。プロ仕様の最新設備がそろう充実した環境で、メディア・芸術学科とデザイン美術学科2学科の532人が学んでいる。

小野寺昭さん、古川登志夫さん… 現役俳優、声優が直接指導

役者、照明、音楽、舞台美術など力を合わせてつくりあげる卒業公演 メディア・芸術学科は「メディア(出版、広告、放送、映像)」「舞台芸術(身体・制作)」「ポピュラー音楽」「声優」「ポピュラーダンス」の5コース。基礎を学んだ上で、各パフォーマンス技術を磨く授業を展開している。メディア芸術総論と文章表現が全コース共通の必修科目で、コースごとに放送制作演習や舞台実習、楽器の表現演習、ナレーション実習、ポピュラーダンス演習などを通じて、基礎と技術を習得できる。

現役声優の指導による「声優コース」の授業。卒業生の中には名門声優プロダクションに所属する人も 講師陣は第一線で活躍を続けるプロフェッショナルぞろい。舞台芸術コースの小野寺昭教授(学科長)はテレビや舞台の世界でよく知られた名優で「プロの世界は厳しい。自分で考えて自分で演じられる役者に育つよう、指導を心掛けている」と話す。大半の学生が入学時点では初心者だが、2年間でたくましく成長し「卒業公演や卒業制作は目を見張るものがある」と語る。
声優コースの古川登志夫教授もテレビや劇場アニメの主役クラス(ドラゴンボール「ピッコロ」役、ワンピース「エース」役など)を多く務めてきた実績を持つ。7月10日のオープンキャンパスでは、古川教授の模擬授業が予定されており、声優を志す受験生にとって見逃せない機会となりそうだ。

メディア・芸術学科長の小野寺昭さん  どのコースでも一貫してプロフェッショナリズムにこだわり、学生たちにプロとしてのノウハウ、技術を習得させることを最重要課題としている。
学校外での発表活動や行事にも積極的に参加。ポピュラー音楽コースの学生は、年末に大阪・中之島で開催されるクリスマスコンサートに出演し、卒業公演を毎年ビルボードライブ大阪で行う。声優コースの学生たちは年1回、名門声優プロダクション「青二プロ」のオーディションに挑戦。合格者は「青二Jr.」に所属できる。コースごとの専門教育が基本だが、コースの垣根を越えた創作やカリキュラムの選択も可能だ。

デザイン美術学科

世界的グラフィックデザイナー 松井桂三氏が学科長

新たに3人のクリエーターが講師に

アートディレクター 対馬肇准教授 デザイン美術学科は「グラフィックデザイン・イラスト」「空間演出デザイン」「キャラクター・マンガ・フィギュア」「デジタルアーツ」「工芸・立体デザイン」「絵画」「版画」の7コース。1年次前期に3コース以上を履修し、実際にものづくりの多彩な領域を幅広く体験した上で、後期から専攻コースを選択するため、自分の方向性をじっくりと見極めることができる。
指導者は多彩な顔ぶれだ。学科長の松井桂三教授は世界各地の国際コンペで多数受賞しているグラフィックデザイナー。「グラフィック―」の澁谷克彦客員教授は大手化粧品メーカーのクリエーティブディレクター。「キャラクター―」の寒河江弘特任教授はフィギュア界のカリスマとされる人物だ。
さらに今春から、3人の若手クリエーターを指導者として迎えた。アートディレクターである対馬肇准教授、プロダクトデザイナーの黒河兼吉准教授、デザインエディターの松澤剛准教授。いずれも豊富な実績と経験を有している。学生たちは基礎的な知識と技術を習得した後、最先端で活躍する業界第一人者たちの指導の下、専門スキルを身に付けるための実制作に取り組む。

プロダクトデザイナー 黒河兼吉准教授  「グラフィック―」では、まずパソコンの基本ソフトの使い方を学び、考え方や発想方法など、五感に訴えるビジュアル表現に必要な知識や技術を習得する。その後、グラフィックデザイン専攻とイラスト専攻に分かれて、基礎から応用までを学ぶ。卒業後の進路はアートディレクター、各種デザイナー(グラフィック、広告、パッケージ、ウェブなど)、絵本作家、イラストレーター、コピーライター、プランナー、カメラマンなどがある。

デザインエディター 松澤剛准教授  「空間―」はインテリアから生活雑貨、スタイリング、ガーデンデザインまで、生活空間を彩る発想やデザインを習得するコース。卒業後はインテリアデザイナー、家具や照明のデザイナー、ガーデンデザイナーなど幅広く空間を演出・デザインするスペシャリストとして活躍できる。
「工芸―」では、まず工芸や彫刻の基礎を習得し、立体造形について学ぶ。1年次に木、石、金属、陶、ガラスといった素材や道具の特長を知ることで技術の基礎を固め、2年次に自分の表現に合った素材を見付けるための制作を行う。

総合芸術短期大学の強み

多彩な分野の超一流講師 プロ仕様の機材や設備

大阪芸術大短期大学部は、大阪芸術大の源流となった短大。英語教育に始まり、保育、芸術に領域を広げた。4学科14コースという幅広い学問領域を持った全国でも珍しい「総合芸術短期大学」だ。
1986年、大阪学舎から芸術関係の学科のみが伊丹市に移転。以来、伊丹キャンパスはアート・デザインとメディア教育・研究のフィールドとなっている。キャンパスは開放感あふれる雰囲気だ。
伊丹学舎最大の魅力は優れた講師陣と充実した施設と設備。講義や実習では、プロの現場と同じ機材や設備を使う。テレビやラジオのスタジオ、芸術ホール、声優アフレコスタジオなどの施設も充実。さらに最新式のハイビジョンテレビ中継車も導入。デザイン美術学科でも、学生が自由に使えるパソコンルーム、陶芸用の工房や窯、アトリエや写真スタジオなどが用意されている。
卒業後、さらに学びたいと考える学生には、同短大が進学や編入学などの後押しをする。グループ校の大阪芸術大への3年次編入はもちろん、他大学への指定校推薦も多数確保。「短大は内容の充実に比べて学費が割安。短大で学び、そこから大学編入を目指せば経済的な負担は小さくなる」と同短大関係者はメリットをアピールする。

大阪だけど兵庫の学校

「大阪芸術大学短期大学部」と聞くと、大阪にあるものと思ってしまいがちだが、キャンパスは大阪と、実は伊丹市にある。
神戸方面からは阪急西宮北口駅から宝塚駅経由のアクセスが便利。大阪方面からの交通も便利で、JR宝塚線中山寺駅から徒歩12分。学舎から北摂の美しい山並みが望め、緑豊かな環境は学生たちからも好評だ。

学長に聞く

視野広い人材育てたい

塚本英邦学長 ―どんな大学ですか。

1945年創設の平野英学塾が原点で、それを母体とする浪速外国語短期大学は英語に加えて保育教育も行うようになり「浪速短期大学」と改称。その後、芸術分野も加え、伊丹学舎がその拠点になり、2000年に「大阪芸術大学短期大学部」と改称しました。「メディア・芸術」「デザイン美術」の2学科12コースがあり、漫画やフィギュアなども含めて「芸術」と呼ばれるものの大半を学べます。日本でも数少ない総合芸術短期大学。第一線で活躍するアーティストによる指導、学科の垣根を越えた横断的な学び、充実した施設などが特長です。近年は特にデザイン領域に注力。世界的に活躍する若手クリエーターが新たに指導陣に加わっています。

―どのような学生を育てたいですか。

視野の広い人物に育ってほしいですね。キャンパスではプロ仕様のテレビスタジオやラジオブースでの番組収録を体験することができます。ガラス工芸やフィギュア制作などもあります。いろんな体験を通じて、知識や技能の引き出しを増やしてほしいですね。声優、デザイナー、CGクリエーター、作曲家など、異なる芸術の道を目指す人たちが同じ場所に集まって刺激し合う環境は、本学ならではのもの。若いときにそういう環境に身を置くことは、とてもいい経験になります。本学で学んだことが人生の糧になるような2年間であってほしいと思います。

―今後の展望と受験生にメッセージを。

短大に今何が求められているかを日々模索し、時代の流れに即した新学科の設置を検討するなどして、発展していきたいですね。受験生の皆さん、オープンキャンパスで、この大学の魅力をぜひ体感してみてください。自分のやりたいことが、きっと見えてくると思います。

在学生からのメッセージ

プロの「生の声」刺激的

メディア芸術学科声優コース2年  鶴野有紗さん(19)

高校時代は放送部。放送コンクールの地区予選がいつも大阪芸短大であり、親しみがありました。芸術を幅広く学べる点も受験を決めた理由でした。将来の夢は声優。基礎から積み上げ、今はアニメの映像を見ながらアフレコを付ける練習をしています。第一線で活躍されているプロの先生方の直接指導は刺激的で「現場の声」を聞かせてもらえるのがありがたいですね。
今、在学生の自治組織「学友会」の会長を務めています。伝統を受け継ぎ、さらに大学を盛り上げていくため、仲間たちと知恵を絞る毎日。忙しいですが、とても充実しています。

大学概要

住所 伊丹キャンパス=伊丹市荒牧4-8-70
アクセス JR宝塚線中山寺駅徒歩約12分、阪急宝塚線山本駅徒歩約20分
学部(本年度定員) メディア・芸術学科(160人)、デザイン美術学科(160人)
教員 教授24人、准教授14人、講師4人
在学生 532人
ホームページ http://osaka-geitan.jp/

特集大学

特別インタビュー