実就職率92%超の実績
神戸海星女子学院大学

実就職率92%超の実績

「人を愛し、人を支え、社会に奉仕する女性の育成を目指す」を教育理念に掲げる神戸海星女子学院大学。現代人間学部の下に英語観光学科と心理こども学科を有し、定員95人に対して約20人の専任教員が1年次から卒業まで目の行き届いた指導を行っている。理論、知識を学ぶだけでなく、さまざまな現場における実践の学びが充実している点も特長で、92%を超える実就職率は近畿の女子大学でもナンバーワンを誇る。

県内女子大で唯一の観光学科

英語、観光業のプロ養成

アクティブラーニングにも力

人気ネーティブ講師・ケビン先生の講義 英語観光学科

「英語観光学科」は、伝統と定評のある英語教育を新しい観光分野とマッチングさせた兵庫県内の女子大では唯一のユニークな学科だ。その実践的な教育は高い評価を受けている。1~2年次に集中する英語力養成プログラムは、学生一人一人が目標を設定し、将来の進路に合わせて英語力を伸ばすことができる。「聞く」「話す」「読む」「書く」力を段階的に養った後、3年次以降にはさらなるレベルアップを図るための英語専門科目を通して、グローバル社会で求められる語学力の習得を目指す。

ANAクラウンプラザホテル神戸で産学連携事業に取り組む学生ら 海外プログラムも充実している。複数の語学留学のほかに実践的に観光分野の理解を深める「グローバルツーリズム研修」などがある。原則、全員に参加を推奨し、支援金制度があることも特徴。本年度は新たに「ハワイ文化論」の科目新設と現地ハワイで学ぶ「海星ハワイプログラム」を追加した。
同学科では文科省が求めるアクティブラーニングにも積極的に取り組んでいる。「ひょうごツーリズム協会」企画の「学生ガイドによるまち歩き」に参加し、ツアーの企画やガイドを実施している。また、日本旅行業協会主催の「関空発『学生と旅行会社でつくる』海外旅行」企画では、学生の旅行商品企画が2年連続で最終審査に選出されている。さらに本年度は「ANAクラウンプラザホテル神戸」と産学連携協定を締結し、学生がホテル事業に参画するプログラムを展開中。現場のホテリエとミーティングし、ホテル主催のブライダルフェア(7月開催)に取り組んでいる。
女性の感性と英語力を生かして社会で活躍する場として想定している出口は、観光業界だけではない。もう一つは英語が2020年度に教科化される小学校の英語指導者だ。「海星キッズイングリッシュプログラム」では、近隣の小学校や公民館で英語講座の出前授業を行う。米ロサンゼルスの小学校でアシスタント・ティーチャーを体験するプログラムもある。「キッズイングリッシュプログラム」を履修した学生のうち、5人が大学院に進学し、このうち1人は鳴門教育大付属小学校で英語の専科教員をしている。

心理こども学科

自分自身、子ども、保護者まで 心を理解できる先生に

子どもとふれ合う中で実践力を身に付け、保育士・幼稚園教諭を目指す学生ら 「心理こども学科」は保育士、幼稚園教諭、小学校教諭を目指して入学してくる学生が多い。心理学の素養を身に付け、子どもや保護者の心に寄り添うことができる教員を養成するカリキュラムが特長。他者とのコミュニケーションに欠かせない「心理学」と「こども学」の学びを生かして、一般企業に就職するなど卒業後の進路の選択肢の幅が広いのも魅力だ。
21科目もある「心理学」は「自己理解」「子ども理解」に加えて「保護者理解」を学びの柱としているのも同学科の大きな特色だ。「自身をまず知ることがヒューマンサービスの第一歩。保育・教育の現場では、子ども一人一人と向き合うとともに、保護者の不安を取り除くサポートの役割も求められている」と大岸啓子教授。授業では実際に子育てに悩んでいる保護者の不安や相談ごと、クレームの事例などを取り上げ、どのように対応すればよいか学んでいるという。

小学校の教育実習で授業を行う学生。3年次秋に4週間かけて実施 実践の学びは豊富に用意されている。近隣の乳幼児と母親に学内の場を開放し、学生が親子で楽しめる遊びを計画・実践する「母と子のふれあいひろば」▽授業の空き時間などを利用して小学校や幼稚園に継続的に通い、授業や保育、行事などを補助する「ボランティア活動」▽多言語多文化教育が行われている豪州の幼稚園で日本文化を紹介する「オーストラリア幼稚園実習研修」などを通じ、教員として実践的な力を身に付けていく。
これらのカリキュラムをさらに密度の濃いものにしているのが、少人数制による教育だ。「初等音楽」では授業外でもマンツーマンの指導が行われ、保育・教育実習では徹底した事前・事後指導を実施するなど、理論と実践の繰り返しで理解を深める。また、学生の個性や得意分野、希望進路などを教職員間で情報共有を図りながら卒業後も続く指導は海星ならではの取り組みだ。

1年次から進路教育開始

相談しやすい職員が支援

キャリアセンターでは1年次から社会人になるための基礎的な力を身に付けるとともに、2年次、3年次と段階的に就職に向けたサポートを強化していく。
センターのスタッフが学生たちと密接に関わり、就職活動時に何でも相談できる関係を築くことで、細かいフォローが可能になり、高い実就職率を実現している。
今春に卒業した学生の就職状況(2015年度)では、就職希望者の就職率は96.9%。さらに、全卒業生(大学院進学者を除く)のうち就職した割合を示す実就職率は92.5%だ。
1年次に適性検査を行って進路の方向性を見定めるとともに、必修の「キャリアデザイン入門」で就職活動や社会で求められるコミュニケーションの基礎力を身に付ける。
2年次には先輩卒業生の就職活動時の経験談を聞く機会を設け、3年次からは書類や面接対策など多様な就職サポートプログラムを実施。4年次の本番では企業ごとの選考内容などを書き記した「就活ノート」で振り返り、次の選考に生かしていく。
4年間にわたって常に学生たちに伴走するのがキャリアセンターのスタッフたち。途中で気持ちが続かなくなってくる学生に対し、個別に寄り添いながら声掛けをし、サポートしていくことができる信頼関係が高い実就職率の実現につながっている。

英検2級相当で授業料免除

英検2級相当の有資格者に初年次の授業料を免除する支援制度を設けている。ここ数年は毎年8~9人がこの制度を利用して入学してくるという。
小野教授は「制度利用学生はもともと勉強する意識が高く、積極的。周りに刺激を与える存在で、他の学生たちもどんどん積極的になって全体のレベル向上につながっている」と話す。

学長に聞く

人を支え輝ける女性に

岡村祥子学長 ―海星らしさとは。

 本学は「マリアの宣教者フランシスコ修道会」を設立母体とした大学です。50年の歴史を通して「他者に全身全霊を尽くして奉仕する精神」が学風として息づいています。理想の女性像である聖母マリアにならい、学生には、彼女のように地に足を着け、どのような時にも優れた判断力を示し、優しさと思いやりを持って生きていける女性になってほしいと思っています。

―手厚い教育が特長です。

 「人と人とが人格的に出会って得られる学び」が教育の基本と考えていますから、教職員と学生、学生と学生が出会い、話し合い、共感して共に育つことを重視しています。小規模な大学だからこそできることですが、教職員と学生の距離が近く、教職員は学生一人一人の顔と名前を覚え、かけがえのない存在として受け止めています。勉強や研究だけでなく、学内行事やクラブ活動への参加を通して人間関係を学び、他者への想像力も養い、豊かな感性の持ち主となるよう願っています。私が担当する「人間学」でも「私とは何者か」を知る「旅」の中で、学生が現代の日本や世界で起きている出来事に関心を持ち、同時にこれまでの人類の遺産を知ることで、空間と時間を意識する人になることを目指しています。

―社会に出てどのように活躍してほしいと考えていますか。

 社会や組織の中で適格な判断力を持ち、思いやりを持って人を支え、内的に輝く女性になってほしいと考えています。オープンキャンパスでは入学したばかりの1年生が、率先して大学の魅力を高校生たちに伝えてくれています。オープンキャンパスに来ていただければ、本学の良さと温かさが皆さんにも伝わると思います。ぜひいらしてください。

在学生からのメッセージ

大好きな英語より深く

英語観光学科3年 豊川円香さん(20)

大好きな英語にさらに磨きをかけたいと思い英語観光学科を選びました。
授業でスピーキング力が劣ることを知ったときは落ち込みましたが、間違えても積極的に話すことの大切さを学び、TOEICの点数も800点近くまで伸ばすことができました。
人前に出て話すことが苦手だった以前の自分から変わり、課外活動ではフラ&タヒチダンスクラブとイングリッシュ・スピーキングクラブにも入り、後者では部長も務めています。将来は好きな英語を生かして、生まれ育った神戸で貢献できればと考えています。

大学概要

住所 神戸市灘区青谷町2-7-1
アクセス 阪急王子公園駅、JR灘駅徒歩13分
学部(本年度定員) 現代人間学部(95人)
教員 教授11人、准教授4人、講師4人、助教1人
在学生 328人
ホームページ http://www.kaisei.ac.jp/

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