社会を生き抜く力育む
園田学園女子大学

社会を生き抜く力育む

 園田学園女子大学は人間健康学部(総合健康学科、人間看護学科、食物栄養学科)と人間教育学部(児童教育学科)と短期大学部(生活文化学科、幼児教育学科)を展開。さらに女性の管理職が社会から求められる時代において、2021年度には女子大ならではの経営学部を開設した。成功や失敗を重ねることで学んだ知識を知恵に変えていく「経験値教育」を教育コンセプトに掲げ、人生でよりよい選択をしながら社会で生き抜ける人材を育成する。

「女子大学の経営学部」誕生

女性の専任教員が4割以上

本年度からスタートした「経営学部」。地元商店街を歩き、話を聞く「フィールドスタディ」。地域課題を見つけ、解決する力を養う  21年4月、全国でも数少ない「女子大学の経営学部」が園田学園女子大学に誕生した。先が見えない現代において、「新しい未来をマネジメントする力」を経営学の本質ととらえ、基礎と複数領域を柔軟に学べる汎用(はんよう)性の高い学部だ。一般的に経営学部は学生も教員も男性が大半を占めるのに対し、女性の専任教員を全体の4割以上に高めた。ファッション、コスメ業界など女性が活躍できるビジネスや職種が増える中、100%女性を対象とした就職求人が寄せられるため、女性に特化した就職支援ができるのも女子大ならではだ。

将来ビジョンに合わせ学び多様

 具体的なカリキュラムは、まず1年次に経営・会計・経済分野の基礎科目に加えて、情報・心理・法律分野の科目を学修。続いて2年次の2学期以降は、企業でリーダーシップを発揮したい人や起業に興味を持つ人向けの「企業マネジメント」、公務員などを目指す人を対象とした「公共マネジメント」、グローバルな視点を身に付け観光業などで働きたい人のための「国際・地域マネジメント」の3コースが用意されており、専門性を高めていく。
 とはいえ、この3コースにとどまる必要はない。同学部の特長のひとつである心理学と組み合わせて、一人一人がオーダーメードの履修モデルを作ることが可能だ。例えば「経営×心理モデル」では「社会心理学」や「コーチングマネジメント論」などの科目を履修し、人の心をつかんで組織運営につなげるマーケティング心理を学ぶ。広報戦略室の佐々木傑三室長は「せっかくのスキルもパフォーマンスとして発揮できなければ評価にはつながらない。現代は経営に限らず、心をマネジメントする重要性が増している」と話す。
 ほかにも食物栄養学科、総合健康学科といった他学科の科目履修と組み合わせて、「食×経営モデル」「スポーツ×経営モデル」など、描くキャリアに応じて学びたい分野を手厚くカスタマイズできる自由度が魅力。「最近はカフェやwebショップなどを自ら営みたいという女性も多い。経営や会計、マーケティングの知識は必ず強みになるはず」と佐々木室長。

NZキャンパスで研修も

ニュージーランドにある海外拠点「そのだクライストチャーチキャンパス」  一方で超難関の国家資格「公認会計士」をはじめとした資格取得にも対応し、放課後に少人数制の個別指導も実施する予定だ。ニュージーランドにある海外拠点「そのだクライストチャーチキャンパス」での3週間の海外研修には追加費用なしで参加でき、キャンパスや地域で得た知識や経験にグローバルな視点を加える機会を設けている。

食物栄養学科 栄養機能食品マヨネーズ開発

成功、失敗の体験を知恵に 経験値教育の場 多数

食物栄養学科「マヨネーズ開発隊」が試行錯誤して商品化したマヨネーズ  学内外でたくさんの経験を積み、人生のあらゆる場面に対応できる力を養う「経験値教育」。経験の場が数多くある中、最近注目を集めたプロジェクトが食物栄養学科の「マヨネーズ開発隊」だ。管理栄養士を目指す学生たちが試行錯誤し、昨年9月に日本初の栄養機能食品マヨネーズが発売された。
 高砂市内の食品会社「籠谷」で働く卒業生から提案があり、学生主導で取り組んだ。スーパーを観察して「特定保健用食品(トクホ)のマヨネーズはあるが、栄養機能食品はない」点に着目し、ビタミンEを強化した日本初のマヨネーズ「スマートエッグ(R)」を考案。県内のブランド卵を厳選してアミノ酸系調味料は使用しないなど原材料にもこだわり、ベストな味を求めて繰り返した試作・配合は30回近く。パッケージのデザイン、役員プレゼンなど商品化に関わる貴重な経験も積んだ。コロナ禍を挟み1年半のプロジェクトに関わった22人の中には、経験を生かし食品メーカーで開発担当に就いた卒業生もいる。

食品会社から提案 学生主導で商品化

日本初の栄養機能食品マヨネーズを開発した食物栄養学科の「マヨネーズ開発隊」 「産学コラボ商品と言えば一部だけ学生が参加するケースが多いが、すべてを学生主導でできたため高い経験値が得られた」と人間健康学部食物栄養学科の渡辺敏郎学科長。「自分中心から消費者の立場へ、学生の目線が移り変わっていく過程で成長を感じた。視野が広がることで将来のさまざまな場面に役立つ」と話す。
 籠谷とはジェラートの共同開発が進行中だ。また、8月には園田女子学園大学を軸として、阪神地区6大学がオリジナルカレー開発と販売力を競う「宝塚カレーグランプリ」が開かれるなど、本年度も管理栄養士を目指す学生らの経験の場が用意されている。

盛んな体育会系クラブ

全国級続々、施設や栄養面サポート

全日本大学選手権V7を誇るソフトボール部。日本一奪還を目指し一丸となっている 体育会系クラブの躍進が目覚ましく、「スポーツのSONODA」として知られている。
 全日本大学選手権でV7を誇るソフトボール部は2017、18、19年で準優勝。日本一奪還を目指し、一丸となっている。11、12年の連覇に貢献したのが、卒業生の清原奈侑選手。大学で磨きをかけた独創的なリードと優れたフットワークが評価され、東京五輪代表に選ばれた。
 テニス部も大学対抗の日本一決定戦で21回の最多優勝を誇る名門。昨年の全日本学生選手権には東谷和選手(児童教育学科4年)らが出場し、ダブルスで8強入りした。陸上競技部は昨年の関西学生対校選手権で女子総合2位に入り、インカレでは100メートル障害で古西清乃選手(総合健康学科2年)が4位入賞。今年の兵庫リレーカーニバル一般女子400メートルリレーでは優勝を飾った。
 バスケットボール、バレーボール、剣道に加え、近年創部した駅伝、バドミントンの活動も盛ん。施設整備や栄養指導のサポートに力を入れるほか、成績報告会を開き、優秀選手を表彰するなどの取り組みがモチベーション向上につながっている。

学長に聞く

「凛としなやかに」理念

川島明子学長
―大学のビジョンは。

 学園創設の地は園田村。1938年に当時の村長が地域社会の女子教育に貢献することを目的に、他者への思いやりを意味する「捨我(しゃが)精進」を建学の精神として開学。以来80年余り地域とともに歩みながら、自立した女性を育成して社会に送り出してきました。
 このほど2030年までの中長期計画を発表。大学理念を見直し、「凛(りん)としてしなやかに、地域とともに、社会をきりひらく女性の育成」と刷新しました。コンセプトは、本学で得た知識を実践によって知恵に変える「経験値教育」。社会や地域、家庭で「凛としてしなやかに」生きるための原動力になります。時代が多様に変化する中、「社会をきりひらく女性」を今以上に応援したいとの思いを込めました。

―今年4月に経営学部ビジネス学科が加わりました。。

 男女共学の看板と言える経営学部の新設は、女子大では全国で3校目。女性ならではの視点が豊富に取り入れられた学びの環境を用意し、管理職として活躍できるマネジメントスキルの高い人材の育成を目指しています。本学はこれまで資格を取得するための実学を重視してきましたが、大学理念の「社会をきりひらく」ための学びも必要と考え、女性のための経営学部を開設しました。

―受験生にメッセージを。

 大学という新しい環境の中で過ごすことに不安はつきもので、コロナ禍ではなおさらでしょう。そのために、心身ともに健全に過ごせるように多角的なサポートを行い、奨学金や減免制度をはじめ経済面でも支援。教職員と学生の距離が近いのも本学らしさです。ぜひ目的意識を忘れず、未来に向かって本学で成長を遂げてほしいと思います。

在学生からのメッセージ

学業、練習環境に恵まれ

人間健康学部 総合健康学科1年 井上ひかるさん

 生まれ育った加古川で始めたバスケットボール。もっと強くなりたいと高知県の強豪高校に進み、練習試合によく通っていたのが園田学園女子大学でした。和気あいあいと楽しそうなチームの雰囲気に引かれ、高校1年から進学を志していたんです。この春入学したばかりですが、整備されたアリーナ、多様なマシンを備えたトレーニングルームなどの環境に恵まれ、得意なドリブルだけでなく苦手なパスの技術も高めようと意欲的に練習中。インカレ上位進出を目指して頑張っています。
 学業面では中学・高校の保健体育の教員免許が取得できる健康スポーツコースで、中学校教諭を目指して学んでいます。中学時代、スキル以前に人として大事にすべきことを教えてくれた先生のような指導者になって、バスケに長く関わりたいと思っています。

掲示板

カレー開発栄冠めざし

この夏、阪神地区の6大学がオリジナルテークアウトカレーの売上高を競う「宝塚カレーグランプリ2021」の開催が決定!
 本学もこのイベントに参加いたします。この大会は「食ビジネス」の実践を目的とし、管理栄養士を目指す学生らがレシピ開発のみならず、他学科の学生と協働し、マーケティングや広告宣伝までも経験。その成果を宝塚阪急特設催事場の店頭販売にて競い合うというユニークな取り組みです。本学および各大学の学生の活躍にご期待ください。
【開催期間】
8月26日(木)~31日(火)
【問い合わせ】
実行委員会幹事校 園田学園女子大学広報戦略室TEL06・6429・9903

大学概要

住所 尼崎市南塚口町7の29の1
アクセス 阪急塚口駅徒歩10分、阪神尼崎駅から阪神バス13系統阪急塚口行き(11分)南塚口町1丁目下車すぐ、JR立花駅から阪神バス14系統阪急塚口行き(7分)園田学園女子大学下車すぐ
学部(本年度定員) 人間健康学部=総合健康学科95人、人間看護学科80人、食物栄養学科80人▽人間教育学部児童教育学科95人▽経営学部ビジネス学科120人▽短期大学部=生活文化学科50人、幼児教育学科95人
教員 教授46人、准教授31人、講師8人、助教18人、助手9人
在学生 1578人(5月1日現在)
ホームページ https://www.sonoda-u.ac.jp/

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