女優 畦田ひとみさん(大手前大学メディア・芸術学部卒業)

▽うねだ・ひとみ
1994年、大阪府出身。大手前大学メディア・芸術学部卒業。在学中に京阪電鉄イメージキャラクター「おけいはん」に選ばれる。NHK朝の連続テレビ小説「あさが来た」に出演するなど、女優として映画やテレビドラマ、舞台、CMなどで活躍している。特技はトランペット。

大手前大学在学中、5代目〝おけいはん〟(京阪電気鉄道のイメージキャラクター)に選ばれ、勉強の傍ら3年3カ月間の任務を全うした。2年前に大阪から東京に拠点を移し、映画やドラマでさらに活躍の場を広げつつあるが、「大学時代のさまざまな出会いが今の自分につながっている」と語る。

大学時代の経験 財産に

―女優を目指したきっかけは。

リモート取材に応じる畦田ひとみさん リモート取材に応じる畦田ひとみさん 8歳のときに大阪の梅田芸術劇場で舞台に出演する機会があり、女優さんの仕事に憧れを抱いたことがありました。中学、高校時代は吹奏楽部の活動に打ち込んでいたのですが、卒業が近づいて進路を考えるタイミングになって、演劇の世界への興味が改めて強くなりました。そこで、映画や演劇について幅広く学べる大学はないかと調べ、探し当てたのが大手前大学のメディア・芸術学部(現建築&芸術学部)映画・演劇専攻でした。

―大学時代に〝おけいはん〟のオーディションに合格した。

5代目〝おけいはん〟就任時の畦田さん 5代目〝おけいはん〟就任時の畦田さん 5代目から一般公募になり、1800人の中から選ばれました。「チャレンジおけいはん」というテーマの中で親しみやすさも大切にしていたので、ポスターやCMだけでなく、さまざまなイベントにも参加させてもらいました。1年生の11月から4年生の2月までの任期だったのですが、事務所からは、大学での学びの大切さを教えてもらったため、両立できるように〝おけいはん〟と大学の二つに絞って通っていました。

―どんな大学生活でしたか。

演劇ゼミの舞台公演の様子(左端が畦田さん) 演劇ゼミの舞台公演の様子(左端が畦田さん) 専門の学びだけでなく、他の学科の教科も自由に履修できたので、日本語学や心理学など自分の興味のある分野を幅広く学ぶことができました。日本語学はお芝居で台本を理解するのに、また心理学は役を演じる上での心理状況を知るのに役立っています。
また、演劇のゼミでは年に3回公演をするのですが、チームで作り上げていく楽しさ、難しさを実感しました。4年生の夏の公演では音響、衣装という裏方を初めて担当しました。劇中音楽も衣装も自分たちで作り上げていく経験をし、裏方の支えがあってステージで輝けるということも学ぶことができました。

―進路については。

女優を目指してはいたのですが、将来が約束された仕事ではないし、自分自身お芝居の仕事に向いているのかと悩んだ時期もあり、いったんは就職活動をしかけました。でも、就活のためのプロフィルを書くために自己分析をしたこと、さらに卒業公演の舞台に立ってお客さんから拍手を浴びたことで、女優の道に進みたいという思いに確信が得られたので、事務所にお世話になることにしました。

―卒業をしてからは。

大阪は東京に比べるとオーディションの数が少なく、その中でも少しずつお仕事はいただいていたのですが、このままでやっていけるのだろうかという不安は感じていました。女性は若いときほどチャンスが多いという思い込みもあって気持ちばかり焦っていました。
その後、年齢に合ったお芝居ができるようになろうと思考を変えてから気が楽になりました。以前は時間があれば映画やお芝居ばかり見ていましたが、今は体力づくりのためのトレーニングや英語の勉強もしています。海外のドラマを見ていると日本人女性の役があるので、そんな仕事にもつながればと思っています。
そして、しんどいときにいつも支えてくれたのが大学時代の友人、先生、そして〝おけいはん〟の仕事でお世話になった人たちでした。

―大学時代の友人、先生とはどんな付き合いを。

入学して間もないガイダンスの授業で学科の違う学生と知り合い、そこから広がっていった5人くらいの仲良しグループがいました。それぞれ興味も専攻もバラバラだったのでいろんなことを知ることができましたし、演劇とは関わりのない彼女たちだからこその冷静なアドバイスをもらうこともできました。また、演劇ゼミでお世話になった2人の先生は卒業後も相談に乗ってもらっていますし、芝居に出るときには必ず見に来てくださり、今でもやり取りが続いています。

―近況は。

初めてヒロインの役をいただいた映画がもうすぐ公開される予定です。今までいただいた役は、一生懸命セリフを覚えて役作りをしてから臨んでいたのですが、今回は演じながら自然に役に入り込むことができ、改めてお芝居の面白さに気付くことができました。
東京に来て間もなくは、オーディションに出ても周りがきれいな子ばかりでとてもかなわないと落ち込むこともありましたが、お芝居ではだれにも負けないという気持ちで臨めるようになってから吹っ切れました。年齢に応じた幅広い役が演じられる女優を目指しています。

―受験生にメッセージを。

大学時代の経験や出会った人たちが今のわたしにとって財産になっています。やってみようと思うことがあれば、ぜひチャレンジしてみてください。そして学びたいことについてその専門の先生が近くにいる環境を最大限に生かして、なんでも相談してみるとよいと思います。ぜいたくに時間を使える大学時代だからこそ、興味のある勉強をしっかり学んでください。それが後になって必ず役に立つときが来るはずです。

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