
大阪芸術大学短期大学部(芸短)には「メディア・芸術」「デザイン美術」「保育」の3学科12コースがあり、「保育」以外の2学科は伊丹市内にキャンパスを置いている。教員陣には第一線で活躍する現役のプロフェッショナルが名を連ね、少人数制の密度の高い授業を展開している。
番組づくりが行われる最新の機材が整う学内テレビスタジオ。ビデオロケや編集作業の演習も
メディア・芸術学科には「メディア」「舞台芸術」「ポピュラー音楽」「声優」「ポピュラーダンス」の5コースが設けられている。機材やスタジオなど充実した設備のもとで、コースごとの専門演習、実習のほか、コースを超えて他ジャンルも幅広く学べるのが特徴だ。例えば、出版、広告、放送、映像などを学ぶ「メディアコース」。「映像」の演習では、学内のテレビスタジオなどで最新の機材を使い番組作りを体験する。
「出版」は雑誌やウェブなどのメディアを作って運営するプロを目指す。2年次には学内誌「TanTan」を制作。企画書を書き、取材、レイアウト、校正、入稿など雑誌作りのノウハウを学ぶ。指導するのは大手新聞社で海外特派員の経験もある松尾理也学科長ら、メディアのプロたちだ。
企画している出版物のレイアウトを考えるメディアコースの学生ら。原稿づくりやDTPソフトの使い方など取り組みは幅広い
「他の専攻コースとコラボして新しい何かを創り出すことも可能。クリエーティブなものを目指す者同士が交流し、刺激し合い、成長できるのが本学の特徴」と松尾学科長は話す。
教授陣は各界の最前線で活躍するプロフェッショナルがそろう。ドラマ「西部警察」で刑事リュウ役を熱演した加納竜さんは「舞台芸術コース」の教授。声優コースの教授、渡辺菜生子さんは「ちびまる子ちゃん」のたまちゃん役を担当する声優だ。学生たちは毎年、声優の名門「青二プロ」のオーディションに挑み、大勢が憧れの声優の世界で活躍している。
焼酎のラベルデザインの企業コンペで高い評価を受けた学生(左)。五感を駆使しトップクリエーターを目指す
デザイン美術学科は「グラフィックデザイン・イラストレーション」「空間演出デザイン」「アートサイエンス」「キャラクター・マンガ・フィギュア」「アニメーション・デジタルデザイン・ゲーム」「工芸・立体デザイン」「絵画・版画」の7コースがある。1年次の前期に7コースの基礎実習を履修した上で、後期から一つの専攻コースを選択する。半年間、自分の進路を考える期間が用意される。
昨年度新設された「アートサイエンスコース」は音や映像、データ通信などの技術をデザインと融合させ、未知の体験を提供する作品づくりを目指す。プロジェクションマッピングなどで今、注目の分野。担当教員は制作会社STARRYWORKSなどを設立した木村幸司特任教授。ライブの映像演出やインタラクティブコンテンツなどの企画、制作を手掛ける第一人者だ。
作品が世界の美術館で永久保存されているグラフィックデザイナーの松井桂三学科長は「アートサイエンスは『クリエイティブを科学する』というイメージ。これからの可能性を秘めた分野だ。アイデアとテクノロジーを結びつけてどんな表現が出てくるかが面白い」と語る。
学内展示で作品を発表したアートサイエンスコースの学生。作品のタイトルは「Graduation
Photos」
「クリエイティブ研究」は芸短独自の人気科目。専攻外の好きな授業を受け、やりたいことに挑戦できる。「専攻は版画だが陶芸もやってみたい」といった学生の意欲に応える。グラフィックデザイン専攻の学生が金属工芸やデジタルデザインを取り入れてブランドショップを立ち上げ、キャラクター・マンガ専攻の学生がフィギュアやスマホケースに挑戦するなど、可能性が広がる。
「印刷会社企画部門のデザイナーや菓子メーカーのデザイン担当など、学生らは成果を生かして就職している。教授陣と企業の連携も強く、社会が求めているものを知ることができる。それが学生の将来につながっている」と松井学科長は語る。
1年次から就職や進学、資格取得に役立つ講座や説明会を開き、希望や個性に合わせたサポートをしている。メディア・芸術学科では1年次にプレ・ゼミナールを開講し、社会人の心構えを学びながら企業研究も行う。各学科から教員一人ずつが参加する就職委員会も定期的に開催。全学生の内定状況をフォローアップしながら就活を支援する。
芸短は大学名に「大阪」が付いているが、3学科のうち2学科が伊丹市にキャンパスがある。神戸方面からのアクセスは、阪急伊丹駅、山本駅、JR中山寺駅など複数の経路があり、最寄りのJR中山寺駅から徒歩12分の距離だ。キャンパスは緑豊かで広々としている。荒牧バラ園に隣接し、四季の自然が美しい。「地域に密着したコミュニティカレッジ」を掲げ、中学生の体験学習「トライやる・ウィーク」では毎年50人の生徒を受け入れる。兵庫出身者の入学も年々増えている。
ステージのクオリティーが高い「芸短祭」
今年60回目となる芸短祭の実行委員です。去年はステージ担当で、ミュージックカラオケ大会の司会進行を担当しました。ほかにもプリキュアのダンスを披露したりと本当にバタバタでしたが、今年はもう少し余裕を持って楽しめると思います。芸短はアーティストを目指す人が多く、ステージのクオリティーが高いのが特長。今年もみんなで盛り上がる芸短祭を目指します。
(メディア・芸術学科2年・坂田響さん)
中学生のとき、地元の愛媛県のキッズミュージカルに出演しました。大阪芸大出身の俳優さんもいらして憧れたのが芸短を選んだきっかけです。親元を離れるのは不安でしたが、舞台女優の夢の方が大きかった。好きなミュージカル系の音楽を親に気兼ねなく流せるのは1人暮らしの良さ。梅田まで舞台を見に行くなど、将来に向け充実した時間を満喫しています。
(メディア・芸術学科2年・西福玲香さん)
塚本英邦学長
―就職に力を入れています。
「メディア・芸術」「デザイン美術」「保育」の3学科を持つ、全国で唯一の総合芸術短期大学です。学生たちの夢を仕事に変えるべく、就職を意識したカリキュラムを入学時から組んでいます。パソコンスキルアップやエントリーシート・履歴書の書き方など多彩な講座を用意。入学時から就職への意識を高めるよう各教授陣も力を注いでいます。
―昨年開設したアートサイエンスコースについて。
例えば、プロジェクションマッピングやインタラクティブアトラクションなどに代表される、アートとサイエンスを融合させた表現を学ぶコースです。さまざまなテクノロジーを駆使して、世の中に存在しない新しい表現を追求する分野で、今はまだ一握りのアーティストたちが活躍しているだけ。今後、必ずニーズが高まると確信しています。新設して1年が過ぎましたが、学生はかなり力を付け、面白い作品ができてきたと実感しています。
―「芸短」の特長は。
各分野の最前線で活躍するプロフェッショナルを教授陣にそろえています。声優コースには「ちびまる子ちゃん」のたまちゃん役の渡辺菜生子さん、「アートサイエンスコース」にクリエーターの木村幸司さんなど。第一線で活躍する先生だからこそ、学生に活躍するためのノウハウを伝えられます。どんな先生に学ぶかは非常に重要です。入学時にゼロの状態からスタートできるカリキュラムを組んでいるのも芸短の特長。卒業時はまだ20歳。将来に多くの選択肢を残す年齢です。視野を広げ、将来の目標を模索しつつ、夢を実現するための2年間を過ごしてほしいですね。
芸短と大手レコード会社の新人発掘プロジェクト「すごいよ! キャンパスター」の存在をホームページで知り応募しました。3代目キャンパスターに選ばれ、今年春、芸短に入学。高校生の頃から自分で曲を作り、アコースティックギターを弾きながら歌っていましたが、すべて独学。将来は音楽でやっていきたいと決めたとき、基礎をしっかり身に付けたいと思いました。
芸短には芸術ホールや多くの機材などがそろい、定期的にコンサートも開かれています。常に音を出せる環境にあるのは本当に幸せです。総合芸術短期大学なのでさまざまな分野の人と話せ、一緒に学べるのも刺激になります。先生方もプロの方ばかりなので、分からないことはすぐ質問できます。これからも持ち曲を増やし、デビューを目指して頑張りたいと思っています。
| 住所 | 伊丹キャンパス=伊丹市荒牧4の8の70 |
|---|---|
| アクセス | JR宝塚線中山寺駅徒歩12分、阪急宝塚線山本駅徒歩20分 |
| 学部(本年度定員) | メディア・芸術学科(160人)、デザイン美術学科(160人) |
| 教員 | 教授16人、准教授11人、講師3人 |
| 在学生 | 501人(5月1日現在) |
| ホームページ | http://osaka-geitan.jp/ |