栄養学部の学生が阪神百貨店とまねき食品とのコラボで、全世代で楽しめるおせち料理を考案した 神戸学院大学では、キャンパスを飛び出し、自治体や企業と連携して課題解決に取り組むプログラムを多数実施。大学で学んだ知識や技能を生かし、社会との結びつきの中で実践力を高める。
神戸市との提携では「大学都市ＫＯＢＥ！　発信プロジェクト」に継続して参加。本年度はまず５月に、薬学部の学生が、大阪・梅田の複合商業施設グランフロント大阪で、子ども向けの科学実験ワークショップを開催。文教都市・神戸の魅力アピールに貢献した。
また、養父市を舞台に昨年度スタートした「やぶ♥（らぶ）プロジェクト」では、現代社会学部の学生が地域の魅力発見に協力。ＰＲソング、紹介ビデオの作成やシンポジウムなどを通じ、住民らとともに地域活性化に取り組む。
企業連携では、菓子メーカー「ブルボン」との神戸港開港１５０年、兵庫県政１５０周年記念商品の開発・販売に経営学部の学生が参加。一昨年から、栄養学部の学生が阪神百貨店、まねき食品（姫路市）とコラボし、全世代に向けたおせち料理を考案した。
大丸神戸店とは、昨年７月に包括連携協定を締結。未来をつくる子どもたちの創造性を高めようと、共同でスタートした「もとまちこども大学」は今年で３年目。将棋体験教室や食育レッスン、塩水で走る自動車づくりなど、多様な学生がそれぞれの専門知識を生かしたユニークなワークショップを、同店の一角で定期的に開催する。
さらに、阪神・淡路大震災の被災経験から、ボランティア活動支援室を設け、ボランティア活動に積極的に取り組む。災害被災地には学生と教職員のボランティアを継続的に派遣。また、地元神戸の一大イベントである「神戸マラソン」では毎年６００人を超える学生がボランティアスタッフを担い、付属高校の生徒、同窓会メンバーも含めた〝オール神戸学院〟体制で大会をサポートする。

経験豊富なキャリアセンタースタッフがきめ細かく就活をサポート。大学独自の就職情報システムも構築している 正課授業、課外講座で資格取得を目指すほか、１年次から段階的に就職支援プログラムを実施。進路が決まるまできめ細かくサポートする。
国家試験の２０１８年度合格率は、理学療法士９７・４％▽作業療法士７８・０％▽社会福祉士４２・１％▽精神保健福祉士１００％▽管理栄養士１００％▽臨床検査技師９１・７％▽薬剤師８３・０％だった。
また、公務員試験対策講座をはじめ、行政書士、ファイナンシャル・プランニング技能検定、宅地建物取引士、総合旅行業務取扱管理者、簿記検定などの課外講座を開講。昨年度の行政書士試験の合格率は全国平均の５・７倍となる７４・５％。宅地建物取引士の合格率は６９・５％（全国平均１５・６％）。法学検定試験のスタンダード（中級）コースの合格率は９６・８％で、団体賞（合格率の部）で全国１位に輝いた。

先端機器を使い、検査の手順や方法を学ぶ生命栄養学専攻の学生。来年度から「臨床検査学専攻」に名称変更する 医療の分業化と検査の高度化が進み、病院など診断・治療の現場で必要不可欠な存在となった臨床検査技師。その資格取得を目指す栄養学部生命栄養学専攻が、臨床検査学専攻と名称変更し、来年度から新たなスタートを切る。
大学開学とともに誕生した栄養学部は５０年の歴史があり、管理栄養士約４千人のほか、栄養の見識を兼ね備えた約８００人の臨床検査技師を輩出してきた。今回の名称変更は、専攻として資格を明確に打ち出し、高度な専門性を有した臨床検査技師を養成するのが狙い。
臨床検査技師は、患者の生体試料から検査データを正確かつ迅速に提供。それを基に治療方針などが決定されるため、チーム医療の重要な役割を担う。本専攻では医療現場での実務経験がある教員も在籍。必要十分な知識・技能を段階的に習得できるようカリキュラムを編成。脳波、心電図測定や超音波検査などの先端機器を実際に使いながら、手順や方法を体得するほか、実際の医療現場に即した数々の授業を展開。適切な分析所見を報告できる力を身に付ける。さらに医療・福祉分野の学部による専門職連携教育（ＩＰＥ）に参加。チーム医療の一員として、お互いの仕事への理解を深めコミュニケーション能力の向上を図る。
卒業後の進路は、病院のほか、検査センターや医療系の企業、大学院進学など多方面に及ぶ。

広い台所で自炊を楽しむ 大学までは、電車と徒歩を含めて約３０分。三宮駅、新神戸駅のどちらにも近く、帰省や旅行にも便利です。スーパーや飲食店もたくさんあるため食事や買い物には困りません。部屋も台所も広く、住みやすい間取りです。生活費は使いすぎないように意識し、自分でしっかり管理。課外活動は薬学サッカー部に所属し、オンとオフを切り替え、毎日を楽しんでいます。
（薬学部３年・高口侑弥さん）

佐藤雅美学長
―大学の特色は。

本学は１０学部を擁する文理融合型の総合大学です。理系では兵庫県で唯一、医療系の薬▽総合リハビリテーション▽栄養―の３学部をそろえ、文系では、現代社会学部に全国でも珍しい社会防災学科を開設。国際化に対応したグローバル・コミュニケーション学部や、昨年度新設した心理学部など、幅広い学びを提供しています。「縦軸」となる専門の学び以外に、課外活動や海外研修、ボランティア活動など「横軸」の学びも重要。そのため、地域・社会と連携し課題に取り組む機会や、正規カリキュラムに医療・福祉系学部を中心とした専門職連携教育（ＩＰＥ）、全学部対象の英語特別クラスなど学部の枠を超えたプログラムを設けました。文系５学部対象の、専門分野を学びつつスポーツの理論と実践を学ぶ副専攻的プログラム「スポーツサイエンス・ユニット」もその一つ。実践的経験を通し視野を広げます。

―先進的ですね。

医療・福祉分野の優秀な人材育成に向け、関係４学部合同のＩＰＥには神戸市看護大学も参加。互いの専門職について理解を深めています。国家資格の公認心理師の受験資格取得に向け、本年度から大学院心理学研究科を開設。学部４年、修士課程２年で、必要な科目や実習を修めます。また、臨床検査技師の国家試験受験資格取得を目指す栄養学部生命栄養学専攻は、目的明確化のため来年度、臨床検査学専攻に名称変更します。

―充実したキャンパスライフが送れそうです。

個性に応じて目標に向け活用できるプログラムを数多くそろえました。学生がさまざまなチャレンジを通じて将来像が描けるよう、一人一人の成長を後押しします。