
創立130周年を迎え、現存する日本の保育者養成校の中で最も長い歴史を誇る頌栄短期大学。2年間で保育士、幼稚園教諭2種免許状の資格取得を目指し、本格的に学びたい学生は専攻科に進む道がある。中身の濃い実習で身に付く実践力への評価は高く、就職率は毎年100%を誇る。
手厚い保育実習。2年間で6回の実習を保育所、幼稚園、施設で行う
「一人一人が愛される存在である」という考えをよりどころにした、こころに根差した教育課程により2年間で保育士資格と幼稚園2種免許状の取得を目指す。特長は、幼稚園や保育園などでの6回にわたる実習を重視し、授業での理論と結びつけながら学びを体得していけるカリキュラムにある。
入学者の試験のうち多くを占めるAO入試では、ピアノレッスンが課題に組み込まれ、また教員との面談を通じた対話の中で保育に対する自身の考えをまとめることで、入学前から保育者としての心構えを身に付けていく。
保育者に必須、ピアノの練習
2年生は、幼稚園の入園式の準備を見学する機会がある。園児を迎える教室の細かい飾り付けや、道具箱の中身一つ一つまで入念にチェックする様子を見て、一人一人の園児を大切にする大切さをまず体感する。
授業科目は「保育の心理学」「子ども理解と相談援助」「キリスト教保育」など子どものこころを深く理解する科目を多く設けることによる人格教育を重視。また、共通のテーマについて討議する演習科目で課題を見つけ、自分の関心、興味のあるゼミ形式の授業で自ら考え、行動できる保育者を目指す。
パラバルーン遊びの練習
そのようにして学んだ知識と技術を実習の場で実践しながら体得していく。最初の実習は、1年次後期に行われる学内観察実習だ。「子ども同士のけんかがどのようにして始まったのか、何に興味を持っているのか、どんな会話、ふるまいをし、保育者はそれにどのように応えているかをつぶさに観察。それを毎日記録にまとめ、教員から添削を受け、子どもを見る目を養っていく」と原寛副学長は観察実習の大切さを説く。
保育に関する専門知識だけでなく、社会人に求められる幅広い教養を身に付けるカリキュラムが充実
保育実習では、見て学んだことを踏まえ1年次の1~2月にかけて2週間の実習に臨み、保育士の仕事の内容を理解するとともに、子どもの視点から考える大切さや、自身の言葉や態度が子どもに及ぼす影響などを学ぶ。事後指導では園の評価と自己評価をもとに自身の課題を見いだす。
子どもを観察し見る目を養う
頌栄短大の保育実習の特長は、施設実習を経たうえで、1回目の実習で得た反省を踏まえ授業で学び直した後、2年次の5月後半に2回目の実習に臨む点だ。1回目と同じ保育園で行うことにより、子どもたちとさらに深くかかわることを目指す。そして、実習のまとめとしての幼稚園で教育実習を行う。保育実習をはじめとする実習は頌栄短大グループが持つ保育園、幼稚園、認定こども園、児童館のほか、卒業生が活躍する実習協力施設があり、安心して実習に臨むことができる。
長い歴史に基づく保育の本質を突いた手厚い教育に対する外部からの評価は高い。2018年度は、保育職就職希望者の学生116人に対し求人数が6033人にも上り、100%の就職率を達成しているだけでなく一人一人の学生に適した選択を可能にしている。
こうした実績を支えるのが、それぞれの学生に対する丁寧かつ細かい進路ガイダンスだ。1年次は現場で働く卒業生の保育士、幼稚園教諭らから聞く体験談を通して保育職の魅力に触れ、働くことに対する意識も育てる。2年次には面接やピアノなどの実技対策もしっかり行われる。
こうしたサポートを可能にしているのが、学生約10人に1人が付く担当教員制だ。学生は授業や就職について悩みや考えをその都度相談し、教員は学生一人一人の個性を見極め、多くの選択肢の中から適した就職先へとつなげるようアドバイスしている。
頌栄祭の企画運営を行う自治会メンバー
毎年11月に開かれる学園祭「頌栄祭」の企画を考える学生自治会で会長を務めています。地域のファミリーの方に楽しんでいただけるよう毎年工夫を凝らしており、特に子どもたちが遊ぶ輪投げなどのゲームは段ボールなどを使って手作りしています。子どもたちの笑顔を想像しながら作るプロセスが楽しく、実際に子どもたちが面白がって何度もチャレンジしてくれるとやりがいを感じます。
大学は六甲山系の中腹にあり、阪急御影駅から徒歩圏内にもかかわらず、緑が生い茂り、鳥がいつもさえずっています。実習の場である幼稚園が隣接しており、子どもたちがトカゲや虫を捕まえては「見て見て~」と寄ってきてくれるのも、このような環境ならではです。普段の子どもたちの生活の様子が大学にいながら手に取るようにわかるのも、保育を学ぶ私たち学生にとって良い環境です。
(保育科2年・森行月葉さん)
棟方信彦学長
―今年で創立130周年を迎えます。
創設者でキリスト教宣教師でもあるアニー・L・ハウは、幼児教育の祖・フレーベルの教育理念を乳幼児の保育に生かそうと考え、1889年に本学の前身となる頌栄保姆伝習所を創設しました。現存する日本の保育者養成校では最古の歴史を誇ります。子ども一人一人を、人格を備えた尊厳のある存在として認め、創発性に委ね、見守る姿勢を大切にした教育を行っています。
―頌栄ならではの特長は。
1学年100人程度の保育単科大学として、教員による親身な指導、同じ志を持った仲間との学びが得られる環境が何よりの特長です。また、本学はグループに幼稚園、認定こども園、保育園、学童保育施設があり、安心して実習できる場を用意しています。特に保育園での実習は1年次の観察学習に始まり、その後も1~2年次に2回に分けて行うことにより、学生にとって気づきを得ながら成長できる機会となっています。さらに本格的な学びを望む学生には専攻科があり、卒業後は4年制相当の学士資格が得られます。本学の学生には50倍を超える求人があり、本人の適性を見ながらきめ細かい就職のアドバイスをしています。
―どのような大学を目指していますか。
新たに「時代を拓(ひら)く保育機関」「人格と使命感に秀でた専門性」「多様なニーズに対する実践力」という三つのビジョンを掲げました。長い歴史の中で受け継がれてきた保育の本質を大切にしながら、社会・労働環境の変化に伴い多様化する保育ニーズに応えられる保育者の養成を目指します。
親と離れて施設で過ごす子どもたちにとっての「よりどころ」のような存在になりたいと思うようになり、高校生のころから児童養護施設の先生を目指していました。子どもの心理についてしっかりと勉強できる大学を探したところ、短大の保育科で資格を取得した後に専攻科で本格的に学びができる頌栄のことを知り、選びました。
AO入試では、ピアノレッスンのほかに作文や論文を幾度か書く機会があり、その過程を通じて自分がどのような保育者でありたいのかが明確になりました。実習では子どもたちに安心してもらえるよう、まず名前で呼びかけることを心掛けています。実習、勉強はハードですが、不安や悩みを受け止めてくれる頌栄の優しい先生方、仲間がいるからこそ乗り越えています。
| 住所 | 神戸市東灘区御影山手1の18の1 |
|---|---|
| アクセス | 阪急御影駅徒歩10分 |
| 学科(本年度定員) | 保育科(150人)、専攻科(20人) |
| 教員 | 教授5人、准教授3人、講師7人、助教1人 |
| 在学生 | 210人(男子3人、女子207人) |
| ホームページ | http://www.glory-shoei.ac.jp/ |