52年の「伝統」と「実績」
甲子園大学

52年の「伝統」と「実績」 2カ年連続就職率100%を達成

甲子園大学は栄養学部(栄養学科、フードデザイン学科)、心理学部現代応用心理学科の2学部3学科を持ち、心と体の両面から現代社会の課題に向き合う教育を行っている。キャンパスを置く宝塚市をフィールドに実践的な学びを展開し、地域の課題解決にも貢献。個性や希望に合わせた丁寧な指導と就職支援に定評があり、学生が幅広い視野を持ち、将来像を意識しながら学べる環境が整っている。

栄養学部 各界で多くの人材が活躍

栄養学科 高い国家試験合格率 フードデザイン学科 食産業視野、農作業も

管理栄養士を養成する「栄養学科」。3年次からより専門性の高い4コース(病院、企業、スポーツ栄養、学校)から選択しスキルを磨く 1967年の開学時に創設し、50年を超える歴史と伝統がある栄養学部。八木典子学部長は「社会に出ても本学の卒業生として成長してほしいとの思いをもとに、マンツーマンに近い指導を行っている」と話す。
二つある学科のうち「栄養学科」は、病院や学校などで栄養指導を担う国家資格「管理栄養士」の養成が主目的で、2018年度の合格率は95%。必修教科に加え、各方面で活躍する卒業生を講師に迎えて「社会に出てから役立つ学びを」とプラスアルファのカリキュラムを導入している。管理栄養士としてどんな分野で活躍したいかを意識して、3年次からコースを選択できる。
内容は、臨床現場に強い人材を育てるため実習を充実させた「病院分野」▽企業と連携して研修を行い食品開発などでの活躍を目指す「企業分野」▽アスリートの栄養サポートを行う近年注目度の高い「スポーツ栄養分野」▽栄養教諭の資格取得と幼保・小中学校で食育をしたい人のための「学校分野」―の4コース。「管理栄養士は国家試験に合格することがゴールではない。卒業生との強いつながりを活用し、社会で活躍するための学びを備えている」と八木学部長。
また甲子園大学では地元・宝塚市を中心とした地域連携・社会貢献活動を進めており、栄養学科の学生は同市主催の「たからづか食育フェア」で学生自身が企画、立案、運営に携わるなどしている。

全国的にも珍しい「フードデザイン学科」。新しいレシピや新商品開発、地域貢献など、「食のプロフェッショナル」を目指す 2008年に併設されたのがもう一つの学科「フードデザイン学科」。食品産業を視野に入れて食品開発に関する教育を行い、卒業すると食事の管理を中心とした栄養管理を行うことができる「栄養士」(国家資格)の取得もできる。
産学官連携の取り組みの一つに、地元農園で太陽光パネルのもとサツマイモを栽培し、収穫物でレシピ開発をするというプロジェクトがある。「ビジネス面を学ぶだけでなく、農作業から一貫して自ら手がけるのが特長で、全国的にも珍しい」とフードデザイン学科の鎌田洋一教授。「子どもや高齢者向け、アレルギー対応…と、栄養士の知識を持った人ならより現代のニーズに応じた食品開発ができる」と強みを話す。
さらにこのプロジェクトは国が進める新しい職能資格「食の6次産業化プロデューサー(食プロ)」も視野に入れた取り組みでもある。食品開発について農業から一貫して把握した人材は、企業にとどまらず食プロとして活躍する道も開ける。
ほかにも、若菜そば(旧阪急そば)とのメニュー共同開発をはじめ、食関連企業との連携プロジェクトを中心とした産学官連携を積極的に進めている。
甲子園大学の就職支援は、キャリアサポートセンターが中心になって1年次からキャリア形成教育を実施。全学生と面談を実施するなど教職員が一体となってサポートし、栄養学部の就職希望者に対する就職率は100%を達成している。

心理学部 現代応用心理学科

2年次、5領域から選択 「公認心理師」対応科目も

「現代応用心理学科」は2年次より5領域(ビジネス心理学、健康・スポーツ心理学、犯罪心理学、基礎心理学、臨床心理学)から選択する 「心理学部」は「現代応用心理学科」の1学科のみで、「11年の学部創設以来、多領域の心理学を幅広く学び、実生活を豊かにするという方向性で発展してきた」と同学部の安村直己教授。同学部の定員60人に対して教員が15人で、個性と希望に合わせた細やかな指導を行っている。以前のコース制を改め、17年度からより自由度を高めて幅広く学べるように領域制を採用。2年次以降、5領域の科目群から関心のあるテーマの授業を選べる。
領域制に新しく加わるのが「ビジネス心理学」で、消費者の購買行動に心理学の視点からアプローチ。「健康・スポーツ心理学」では、スポーツで高いパフォーマンスを達成するための心理アプローチを探究する。犯罪が起こる個人的・社会的要因を明らかにするのが「犯罪心理学」。人間関係をよりよくするための社会心理などを学ぶ「基礎心理学」、カウンセリング技法などを学ぶ「臨床心理学」もある。
新しい国家資格「公認心理師」の取得要件を満たすカリキュラムも整備され、学部4年と大学院2年で必要な科目を履修すると国家試験の受験資格が得られる。「もともと心理学は多領域にわたる学問。本学部は創設以来、幅広く領域を学べる体制を整えてきたことが、多領域の知識が求められる公認心理師養成にもつながっている」と安村教授。
心理学部からはカウンセラーなどとして福祉分野に就職する学生が最も多く、一般企業でもコミュニケーション能力が求められる方面で活躍する卒業生が多い。心理学部でも2年連続で就職率100%を実現している。
また地域連携・社会貢献活動では、宝塚市と共催で子育てや思春期について一般向けの講座を開催するなどして、市民から高い関心が寄せられている。

キャンパスらいふ

サークル盛ん 活気ある学内

11月の大学祭はステージイベントが多彩 学生団体「甲友会」と演劇部に入っています。こぢんまりとした大学ですが、クラブ・サークル活動が盛んで、キャンパスに活気があります。甲友会のメイン行事は11月の大学祭。委員長と副委員長を務めており、ステージに呼ぶ芸人を決めて折衝したり宝塚のお店を回って協賛金を集めたりと、大変ですが学びもたくさん。一人でも多く参加してくれるように、工夫と努力をしたいですね。
(心理学部3年・徳永琳さん、望月信之介さん)

料理楽しく1人暮らし

北海道岩見沢市出身。高校生のときから趣味が一人旅で、訪れた中で兵庫県が最も住みやすそうだなと感じていました。料理や食べることが好きだったので、兵庫県内で栄養学科のある甲子園大に進学しました。故郷から遠く離れてさみしいときもありますが、塩こうじや甘酒などの発酵食品を造って料理するなど、1人暮らしを楽しんでいます。料理教室にも通いたいなと思っています。
(栄養学部1年・橋田綾乃さん)

学長に聞く

人の命 大切にする人を

中村秀雄学長
―大学の教育の特徴は。

1967年に開学し、日本で3番目に栄養学部を設置した大学です。地元宝塚市などと連携して社会貢献活動を進めながら、栄養学部は食の立場から人々の健康を守ることのできる人材、心理学部は現代人が心に抱える問題を理解して解きほぐすことのできる人材を輩出しています。「体」と「心」、切り口こそ違えど「人の命を大切にする人材を育てる」ことが本学の使命と考えています。

―具体的な取り組みを。

国家資格である管理栄養士をはじめとしたスペシャリストを育てるため、2学部とも本学独自の特色ある学びを展開しています。例えば心理学部では今年から「ビジネス心理学」を新たに加え、幅広いカリキュラムを用意しています。心理学はカウンセリングなど対人援助のイメージが強いですが、消費者の購買行動をはじめとした経済活動の分析にも役立ちます。栄養学、心理学ともに、数式やデータだけでは説明できず、機械に置き換えられない分野。どんなにAI(人工知能)化が進んでも、最終的に個々のケースでは何が正しいかは、人間が判断せざるを得ません。

―育成したい人物像は。

本学では少人数教育を実施しています。単に人数が少ない学習環境というだけではなく教員が学生を名前で呼び、それぞれの個性や希望に合った教育を行っています。それでこそ学生は、正解が幾つもあることを理解した柔軟な発想力を伸ばし、質問力に磨きをかけ、自分の力を最大限に伸ばすことができます。栄養学も心理学も人の命を大切にする学問ですから、国境や国籍は関係ありません。「地球的規模」で考えられる人材を育てたいと考えています。

在学生からのメッセージ

頼られる管理栄養士に

栄養学部 栄養学科3年 布谷芽依さん(21)

小学生の頃に体のしくみの本を読んだり、栄養バランスに気遣ってくれる母の料理を手伝ったりしていたので、栄養には関心がありました。医療系を希望していた関係で地元・宝塚にあったこの大学を選び、病気の人に提供する献立作成の授業などに取り組んで管理栄養士を目指しています。
伝統と実績に基づいた内容の濃い指導が1年から受けられ、少人数で先生にじっくり教われるし、高台にあって環境がよいのもこの大学の魅力。料理のことをもっと知ってコミュニケーション能力も磨きたいと、日本料理店や塾、プログラミング教室でアルバイトをし、忙しいですが充実した日々です。将来は大学院進学も視野に入れ、卒業・就職しても日々進歩する栄養学を学び続け、何でも答えられる頼りがいのある管理栄養士を目指したいです。

大学概要

住所 宝塚市紅葉ガ丘10の1
アクセス JR宝塚、阪急宝塚、宝塚南口各駅徒歩約20分。専用送迎バス(無料)約5分
学部(本年度定員) 栄養学部200人(栄養学科120人、フードデザイン学科80人)、心理学部60人
教員 教授21人、准教授11人、講師5人、助教6人
在学生 497人
ホームページ https://www.koshien.ac.jp/

特集大学

  • 関西学院大学
  • 甲南大学
  • 神戸大学
  • 兵庫県立大学
  • 神戸学院大学
  • 兵庫医療大学
  • 関西国際大学
  • 流通科学大学
  • 甲子園大学
  • 姫路獨協大学
  • 神戸常盤大学
  • 神戸親和女子大学
  • 神戸海星女子学院大学
  • 頌栄短期大学
  • 大阪芸術大学短期大学部  伊丹キャンパス

特別インタビュー