神戸大学は、文系(文、法、経済、経営)、文理融合(国際人間科学)、理系(理、医、工、農、海事科学)の計10学部を持つ国内有数の国立総合大学として創立以来115年の歴史を築いてきた。「先端研究・文理融合研究で輝く卓越研究大学へ」をビジョンに掲げ、「自ら地球的課題を発見し、その解決にリーダーシップを発揮できる人材」の育成を目指し、着実な改革を進めている。
今年4月に開設された「国際人間科学部」。海外での学びを必修化したプログラムでグローバル人材の輩出を目指す
今年4月、機能強化改革の一環として「国際人間科学部」が新たに開設され、グローバル文化学科、発達コミュニティ学科、環境共生学科、子ども教育学科の4学科384人の第1期生が入学した。
同学部は、世界の諸課題について深い人間理解と他者への共感をもって解決し「グローバル共生社会」の実現に貢献する「協働型グローバル人材」の養成を目的としている。
各学科においては、それぞれの専門性を土台に、現代のグローバル社会の問題状況を踏まえ「多文化状況、文化交流、文化摩擦などをめぐる諸問題を解決する」(グローバル文化学科)、「人間の発達の諸相を理解し、それを支えるコミュニティーのあり方を考える」(発達コミュニティ学科)、「共生社会を支える環境の創出と保全を考える」(環境共生学科)、「持続可能なグローバル共生社会を創造できる次世代指導者を育成する」(子ども教育学科)という実践的な目標を掲げている。
学部としての最大の特長は、海外での学びを必修化した「グローバル・スタディーズ・プログラム」だ。学生は、海外でのスタディーツアー、インターンシップを通じて特定の課題に取り組む「実践型」、海外で語学研修、サマースクールと国内フィールド学修を組み合わせた「研修型」、海外協定校を中心に中長期間留学する「留学型」の三つから個々の専門性と希望に応じて自らのコースを選択する。事前学修で必要な知識を修得し、課題を明確に設定した上で、各コースに参加。事後学修では体験で得た問題意識や実践的な知識を他の学生と共有しながら、世界の諸問題の解決に生かしていく。
神戸大学では国際人間科学部におけるグローバル人材養成のプログラムを今後他学部にも広げていく計画だ。
今年4月にオープンした「国際がん医療・研究センター」
神戸大学医学部附属国際がん医療・研究センターが4月、神戸ポートアイランドにオープンした。120の病床を持ち、全身のがんを対象に先進的外科的治療を行うとともに、先進的医療、革新的医療機器の開発拠点としての役割も担う。
同センターは、検査機器メーカー、シスメックスの支援を受けて建設された。研究面では、工学研究科と連携し、臨床応用が可能な医療機器シーズの探索、開発を進める。医学研究科および医学部附属病院と連携し、グローバルな医師教育および研究、国際連携を強化する。また、神戸医療産業都市の医療機器開発に携わる約100社の企業、および医療機関との連携を強化し、新規医療機器の研究・開発を通じて地域産業の発展への貢献も目指している。
神戸大学は、世界規模の課題解決に貢献したいという高い志を持つ学生の発掘に向け、2019年度入試から「志(こころざし)」特別入試を実施する。「国の入試改革の理念を踏まえた新しい選抜方法の採用によってこれまでにはない学力の特徴を有した学生を選抜する」ことをねらっている。
国が現在進める大学入試改革では、①主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度(主体性・多様性・協働性)、②知識・技能を活用して、自らの課題を発見しその解決方法に向けて探求し、成果などを表現するために必要な思考力・判断力・表現力などの能力、③基礎となる知識・技能の3要素を「確かな学力」と位置付け、これを多面的・総合的に評価することを各大学に求めている。
「志」特別入試は、これを踏まえ一般入試では測ることができない多様な学力評価の手法を導入し、大学入試センター試験を課さずに特色のある学生を積極的に選抜する。第一次選抜では、志望理由や高等学校時代の様々な活動の経歴などに加え、神戸大で学ぶために必要な基礎的学力に対する評価をアドミッションセンターで行う。
また、最終選抜では目指す学部・学科などにおいて、それぞれに特化した適性を見極め、専門分野に関わる学力を有しているかを総合的に評価する。併せて、面接・口頭試問などを課すことにより、書面のみでは測れない学力を対面によって評価することを重視する。
合格発表は11月下旬に行い、合格者についてはアドミッションセンターで入学前教育を実施し、高大接続を円滑に行うほか、不合格者についても本学や他大学が実施する他の入試を受験できるよう配慮している。
昨年9月から始まったインターネットラジオは学生が番組を制作
インターネットラジオ番組「神戸大学Radio!~等神大(とうしんだい)の私たち~」の放送が2016年9月に始まった。パーソナリティーを務めるのは放送委員会、学生広報チームのメンバー。神戸大学でのキャンパスライフや受験エピソードなど神戸大学を目指す高校生にとっては聞き逃せない内容が満載だ。
「神戸大学の魅力を全国の高校生、一般の方に知ってほしい」と、毎週金曜日午後9時から30分間「インターネットラジオ放送局RadiCro」で放送している。
クラブ・サークルの紹介、学園祭「六甲祭」の見どころ、神戸大学が舞台となったロケ地の紹介など毎回のゲストの話から新たな神戸大学の魅力にふれることができる。「学部あるあるトーク」「神大生の恋愛」など学生ならではのやわらかい企画も好評だ。また、「がんばれ受験生!」をシリーズ化し、センター試験、前期試験、後期試験ごとに直前の過ごし方を先輩の視点でアドバイスし、受験生を励ます温かい思いが伝わってくる。
放送された内容はアーカイブされており「RadiCroの番組紹介ページ」から聴取することもできる。
武田廣学長
―神戸大学が掲げる目標は。
人文社会系・自然科学系双方のバランスが取れた大学として発展してきた強みを生かし「先端研究・文理融合研究で輝く卓越研究大学へ」というビジョンを掲げています。教育面においては、世界に開かれた港湾都市・神戸で歩んできた歴史を踏まえ「自ら地球的課題を発見し、その解決にリーダーシップを発揮できるグローバル人材の育成」を教育改革の目標としています。国立大学法人に移行後、国からの運営交付金が削減されるなか、質の高い研究、教育を維持するために安定的な財源の確保に努めながら、着実に改革を進めているところです。
―本年度から「国際人間科学部」が新設されました。
「課題発見・解決型グローバル人材」の育成を目指し、従来の「国際文化学部」と「発達科学部」を再編統合して発足しました。全学部生が海外での研修やフィールドワークに参加する「グローバル・スタディーズ・コース」を必修化していることが最大の特長です。深い人間理解と他者への共感を持って地球的規模の課題に向き合うことのできる人材を輩出していきたいと考えています。
―2019年度入試から導入する「志」特別入試の狙いは。
7学部48人の入試枠を設け、それぞれの分野のリーダーとなって21世紀の人類社会に貢献したいという高い志を持つ学生を募ります。大学のアドミッションセンターによる書類審査、模擬講義・レポート、総合問題を課す第一次選抜、各学部学科による小論文、面接・口頭試問などの最終選抜を通じ、書面だけでは測れない学力を対面によって評価することを重視し、多様な人材を受け入れていきます。
オープンキャンパスで高台から海が眺望できるすてきな立地にひかれ、神戸大学を選びました。経営学部では選抜された学生が学べる「経営学特別学修プログラム」を1年次から受講しており、経営学への興味がさらに強くなりました。また、春休みには大学のプログラムを利用してオーストラリアに短期留学し、英語漬けの生活を体験することができました。新入生向けの情報誌を発行するサークルに所属しており、取材を通じて神戸大学、神戸の街のことがますます大好きになっています。
住所 | 六甲台=神戸市灘区六甲台町1の1
楠=神戸市中央区楠町7の5の1 名谷=神戸市須磨区友が丘7の10の2 深江=神戸市東灘区深江南町5の1の1 |
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アクセス | 六甲台=阪急電鉄六甲駅、JR六甲道駅、阪神電鉄御影駅から市バス36系統「鶴甲団地」行き |
学部(本年度定員) | 文学部(100人)、国際人間科学部(370人)、法学部(180人)、経済学部(270人)、経営学部(260人)、理学部(153人)、医学部(272人=医学科112人、保健学科160人)、工学部(565人)、農学部(160人)、海事科学部(200人) |
教員 | 教授547人、准教授420人、講師100人、助教218人、助手15人 |
在学生 | 1万6144人(大学院含む) |
ホームページ | http://www.kobe-u.ac.jp/ |
日程 | 8月8日(火)・9日(水)・10日(木)・11日(金・祝)・18日(金) |
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時間 | 学部ごとに開始時間が異なるため、電話かホームページでご確認ください。 |
お問い合わせ | 入試課 ☎078-803-5226 |