流通科学大学
将来の夢実現へ後押し
流通科学大学は商学部、経済学部、人間社会学部の3学部7学科を擁する。将来の夢を見つけ、育て、咲かせる教育プログラム「夢の種プロジェクト」に力を入れ、入学から卒業まで学生を総合的に支援。また、豊かな社会の実現に貢献できるビジネスパーソンの育成を目指し、社会で活躍するための多様なプログラムを用意している。
社会共創プログラム
神戸ワイン認知拡大へ提案
社会共創プログラムは、学生が仲間と協力しながら、企業、自治体、地域が抱える課題解決を図るプログラム。大学で学んだマーケティングの知識を生かし、学生が自ら企画、提案しながら実践的な課題に挑むことで、ビジネスパーソンとして求められるスキルを身に付ける。
その一つである「神戸ワイン認知拡大プロジェクト」は、神戸ワインが抱えている問題を解決するため、ブドウの生産やワイン醸造について実地に学び、神戸ワインの認知拡大につなげる提案、企画運営を行う。
2022年度はワインセミナーや除葉作業、収穫体験を行うとともに、「新酒まつり」に向けワインのラベルデザインや販売戦略を考案。その結果、新酒まつりの初日早々に予定本数を完売した。観光経営などに関する人材育成を目的にした、学生の成果発表の場「次世代観光経営フォーラム」では、このプロジェクトチームが優秀賞を受賞した。
観光資源を活用、洲本で地域活性化
また20年度にスタートした洲本市との「域学連携事業」は、同市の住民や行政と連携し、地域活性化のための提案をするプロジェクト。22年度は「鮎屋地区の観光資源・特産品を活用した地域活性化提案」に取り組んだ。学生たちは現地に足を運び、提案の実現性を確かめる実証実験を重ねながら、鮎屋の竹を活用した竹灯籠のワークショップの実施、食べる竹炭の加工による収益化、オートキャンプ場の活用などを提案。「『やれる』という確信と可能性を感じました」と、チームメンバーも手応えを感じていた。
09年から実施している「神戸学生イノベーターズ・グランプリ」(通称・I―Iグランプリ)。22年度は「コロナ禍により大打撃を受けた六甲山観光の収益改善」がメインテーマだった。同大学のチーム「GREENPEER」(商品開発特別研究Ⅱの受講生)は、テーマの対象となる4施設(六甲ケーブル、六甲山アスレチックパークGREENIA、ROKKO森の音ミュージアム、六甲ガーデンテラス)でフィールドワークを実施。現状分析やデータ収集、ターゲット層などを中間発表でまとめ、最終プレゼンテーションに挑んだ結果、優勝を果たした。
他にも全学で約30の社会共創プログラムを実施している。これらのプログラムを通して実際の現場で自ら考え提案する体験学習は、学生たちの大きな成長につながっている。
人間社会学科→心理社会学科名称変更
思考力と実行力 習得へ
来春から人間社会学部人間社会学科を心理社会学科に名称変更する。人と社会が関わるさまざまな現象を解明し、解決へ導くための思考力、実行力の習得を目指す。
心理学と社会学は現代社会の中で広く活用されているが、同学科では「社会の仕組みや働き」「日常生活と文化」「人々の心理と行動」という三つの視点からアプローチする方法を学ぶ。「社会の仕組みや働き」は社会構造や社会問題などについて学習し、「日常生活と文化」では住宅産業やジェンダー、消費文化などを学びのキーワードに据える。「人々の心理と行動」は、物事の捉え方や意思決定、対人コミュニケーションなどを中心に考察を深める。
心理と社会文化の2コース制
「心理コース」「社会文化コース」の2コース制で、2年時にコースを選択。「心理コース」では「人々の心理と行動」をベースに人と社会の理解を、「社会文化コース」では「社会の仕組み」を基に人と社会の理解を目指す。同学科では社会調査士、心理コースを選択すれば認定心理士の資格を取得することができる。
一人一人に寄り添い 就職支援
特性や希望に合わせプラン
ビジネスパーソンの育成を目指し、高い就職率を誇る大学として評価を高めている。2022年度の就職率は98.1%。活動を支援するための学生一人一人に寄り添う手厚い就職サポートが特長だ。
4年間を通じて多彩なサポートプログラムを用意しており、1年生で「なりたい自分発見カリキュラム」がスタートする。
2年生では実践力を身に付けるための科目「キャリア基礎論」やキャリア教育ガイダンス、研究演習を実施。本格的に就職の準備をする3年生で就職希望者全員と面談し、学生の特性や希望に合わせたオーダーメードの就活プランを作成。就職部職員による電話連絡やLINE(ライン)での情報提供などできめ細やかに支える。必要な準備や対策を2日間で学べる「就活対策セミナー」がとりわけ好評だ。面接対策や履歴書の添削、筆記試験対策など、実践的なプログラムを集中的に学ぶことができる。
履歴書添削や面接対策などの個別サポートで、一人一人の適性を見極めて業界や企業をアドバイス。さらに未内定学生全員への電話確認や求人案内を実施するなど、徹底した就職支援を行っている。
学長に聞く
失敗を恐れず挑戦して
―大学の教育目標は。
育てたい人物像として本学は「豊かな社会の実現に貢献できる意欲と能力を持ったビジネスパーソンの育成」を掲げています。ビジネスパーソンとは、企業はもちろん自治体やその他の団体、地域などで実現性や継続性を念頭に置き、豊かな社会の実現に向け具体的な行動をもって貢献できる人という意味です。
―そのための学びの特徴は。
重点的に取り組んでいるのが企業や自治体、生産者とつながり課題解決力を身に付ける「社会共創プログラム」です。「神戸ワイン認知拡大プロジェクト」「洲本市域学連携」などのプログラムを通して、マーケティングやマネジメント力など、実践的なスキルに結びつけます。また、人と社会の関わりをより深く解明することを目指し、来年度から人間社会学部人間社会学科を心理社会学科に名称変更します。今、注目を集めているデジタル化への対応も進め、昨年度から全学共通科目「デジタル社会の基礎知識」をスタートさせました。なりたい自分を見つけ、育て、社会に出て咲かせる「夢の種プロジェクト」を取り入れています。授業など本学における多様な体験を通じて、夢を実現する力を育てたいと考えています。
―学生へのメッセージを。
人工知能(AI)が加速度的に進化する中、デジタルではカバーできない人とのつながりや現場での実体験の重要度が増し、創設者・中内功の「ネアカ のびのび へこたれず」の精神がますます評価される時代だと感じています。本学が用意するさまざまな授業やプログラムを通じ、失敗を恐れずチャレンジし、たくましく生きていける人間に育ってほしいと思っています。
在学生からのメッセージ
相談しやすい税理士に
商学部 経営学科会計コース3年 千﨑ゆめかさん
私の家は祖父が始めた税理士事務所を母が継いでいて、私も中学のときから税理士を志望しています。そのため、「会計コース」がある流通科学大学に入学しました。一番楽しいのは簿記の授業ですが、「中小企業論」「現代ビジネス」などで、企業の方針について具体的に学ぶことがたくさんありました。「会計コース」と名前がついている分、簿記や税理士などの資格取得に前向きに取り組むことができ、サポート体制が整っているのがこのコースの良い点だと思います。将来は地元の企業に就職した後、実家の税理士事務所に入り、母のように顧客に寄り添い、問題を解決できる税理士になりたいです。まだ女性の税理士は少ないものの、男女問わず相談されやすい税理士になれたらいいと思います。
大学概要
住所 | 神戸市西区学園西町3の1 |
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アクセス | 神戸市営地下鉄西神・山手線学園都市駅徒歩5分 |
学部 (2023年度定員) |
商学部(450人=マーケティング学科200人、経営学科250人)、経済学部(200人=経済学科150人、経済情報学科50人)、人間社会学部(250人=人間社会学科90人、観光学科70人、人間健康学科90人) |
教員 | 教授52人、准教授36人、講師18人 |
在学生 | 3730人(5月1日現在) |
ホームページ | https://www.umds.ac.jp/ |