社会で活躍する人材を

関西学院大学 2024

関西学院大学
関西学院大学

社会で活躍する人材を

キリスト教主義教育に基づき「Mastery for Service(奉仕のための練達)」をスクールモットー(校訓)に掲げ、14学部14研究科からなる関西学院大学。「AI(人工知能)活用人材育成プログラム」や「ダブルチャレンジ制度」など全学部生を対象に次代を見据えた特色ある学びを展開し、実社会で活躍できる人材を育成している。

AI活用人材育成プログラム

専門分野の課題解決へ活用視野

「AI活用人材育成プログラム」は文系・理系問わず全学部生が履修可能。入門から基礎、発展へと段階的に積み上げるカリキュラムのため、予備知識がなくても学べる

コロナ下で導入が進み、無意識のうちに生活に溶け込み身近な存在となったAI。AIの普及で多くの職業が失われると予想される一方、新しい仕事や市場が生み出されるという前向きな見方もある。また、生成AIと呼ばれる次世代の人工知能も登場して、AI技術は新たな領域に進もうとしている。こうした変化の時代に必要な人材を育てるための教育課程が、19年から始まった「AI活用人材育成プログラム」。日本IBMと学生向けに共同開発した汎用性の高いプログラムだ。
AIに関わる人材は、新技術を開発する「AI研究・開発者」▽AI技術を活用して現場の課題を解決したり新サービスや新製品を作り出したりする「ユーザー」▽ユーザーにソリューション(解決策)を提供する「AIスペシャリスト」―の大きく三つに分けられる。現状はすでにハード(開発者)の育成環境が整い、多くの企業がソリューションを求めていることから、関西学院大学では「ユーザー」と「AIスペシャリスト」の育成をターゲットとしている。
またAIを活用するということは、数学やプログラミングが得意というだけでは立ち行かない世界だ。
自身の専門分野の課題解決にAI技術を用いるというハイブリッドもこれからの時代には有効だろう。キャッチフレーズは「AIを『作る』から『使いこなす』へ」。発想力を磨いて問題意識を持ち、「学んだAI技術を使って何をするか」に重きを置く。

全学部生が履修可能

関西学院大学の「AI活用人材育成プログラム」は文系・理系問わず全学部生が履修可能。入門から基礎、発展へと段階的に積み上げるカリキュラムのため、予備知識がなくても学べる。プログラムは全10科目で構成。現在は「AI活用入門」などの5科目をバーチャルラーニング化して場所や時間を問わず学べるようになった一方、高度な演習などは教員が直接指導。卒業後に即戦力となることを目指して、実際のビジネス現場で想定される事例をもとに実践的スキルを体系的に修得していく。

ダブルチャレンジ制度

主専攻に加え多様な学び

スリランカで地元の子どもたちと交流する学生(中央)。キャンパスを飛び出してフィールドワークや国際社会貢献活動に励む

全学生に推奨する特徴的な学びには「ダブルチャレンジ制度」もある。これは学部や専攻での学び「ホームチャレンジ」に加えて、もう一つの学び「アウェイチャレンジ」に挑戦できる制度。「インターナショナルプログラム(留学などの海外研修)」「副専攻プログラム(他分野での学び)」「ハンズオン・ラーニング・プログラム(「触れる」をテーマにした学び)」の三つを用意し、グローバル社会で活躍するために必要な「主体性」「タフネス」「多様性への理解」を養う。

海外研修、副専攻、フィールドワーク

国際交流に力を入れる関西学院大学は、58の国や地域の290を超える大学・国際機関と協定校ネットワークを結び、海外学生派遣者は全国トップ級を誇る。この基盤をもとに「インターナショナルプログラム」では学生の目的、レベル別に70以上の海外研修・留学プログラムを用意。国連諸機関でプロジェクトに従事しながら開発途上国について学ぶ「国連ユースボランティア」、教育機関やホテルなど海外での就労を通じて多文化社会の仕事の現場を学ぶアジア初の「海外インターンシッププログラム」などがあるほか、提携校大学の学位も取得できる「ダブルディグリー留学」など留学制度も充実している。

過疎化が広がる農村部でのフィールドワーク

700科目以上の分野を超えた学びができる「副専攻プログラム」には、最短4年で二つの学位を取得可能な「マルチプル・ディグリー制度」といった画期的な制度をそろえる。例えば「商学部」と「法学部」の学位を取得することで法律の分かる経営者を目指せるなど、他分野を学ぶことで新しい価値を生み出す力が身に付く。上智大学や兵庫医科大学など、国内協定大学との交換学生制度(国内留学)や単位互換制度が利用できるのも魅力だ。
キャンパスを飛び出して社会に学ぶ「ハンズオン・ラーニング・プログラム」。中国、四国地方などでのフィールドワークを通じ、地域に即して「環境」や「伝統」などのテーマを探究する「社会探究実習」のほか、原発問題特別演習「福島」などもある。さまざまな情報がインターネットや書物で手に入る時代だからこそ、現場に触れて抽象度の高い課題を実践的に取り組むプログラム。考え方の幅を広げ、深めることによって学びの基盤を強く築くことができる。

神戸三田キャンパス近接地 起業家育成の新拠点

25年春供用開始予定 商業施設や学生寮併設

2025年春の開設予定。「KSCInnovationField(仮称)」完成予想図

2025年4月、神戸三田キャンパス(KSC)の近接地に、起業家育成拠点や300人規模の学生寮、商業施設(24時間営業フィットネスジム)を融合した施設「KSC Innovation Field(仮称)」を開設予定。
多様な人々が交流・協働して新しい価値を創造し、日常の暮らしの中で学生が自然と起業家マインドを養える相乗効果を狙う。
起業家育成拠点「KSCイノベーション・ハブ(仮称)」は、複雑に絡み合う社会課題に連携・協力しながら解決に取り組み、実践としての「起業」を実現。理論と実践を学ぶ「教育」、ネットワークを築く交流の「場」、事業化に挑戦する「機会」を提供する。また、大学で創出された「知」を起業に結び付けたり、地元自治体、住民、企業などと対話したりしながら地域課題の解決に貢献する取り組みを展開していく。

学長に聞く

次代見据え上質の学び

―大学の特色は。

森康俊学長

14学部14研究科から成る総合大学で、キリスト教主義に基づく青少年教育などを目的として1889年に創立されました。スクールモットーは隣人や社会、世界に仕えるため自らを鍛える「Mastery for Service(奉仕のための練達)」。近年の特徴的な取り組みは、理系や文系を問わずAI・データサイエンスの知識を備えて諸問題の解決を目指す「AI活用人材育成プログラム」、グローバル社会で活躍するため主専攻以外も学ぶ「ダブルチャレンジ制度」などがあります。社会の変化と時代の流れを的確にとらえ、規模ではなく質を追求して教育研究組織のあり方を考えています。

―超長期ビジョン「Kwansei Grand Challenge 2039」とは。

創立150周年にあたる2039年に向けた超長期ビジョンで、「世界的課題の解決に挑む、『強さと品位』を持った人間を育てる」が教育理念。デジタルなど成長分野の人材育成を重視する国家方針に応えるためにも理系人材の育成が急務と考え、神戸三田キャンパスの再編と発展に注力しています。また大学の国際化も建学の精神に基づく大切なテーマで、18年度の日本人学生派遣数1962人は全国1位でした。海外協定校の拡大をはじめ、奨学金などの留学支援、学生の英語力向上を図る教育体制の整備などをさらに進めていきます。

―受験生にメッセージを。

キャンパスに多様な学生や社会人が入り交じるコロナ前の風景が戻ってきました。国際交流も再開しつつあります。次代を見据え質の高い学びを用意し世界へ目を向ける学生をサポートしています。

在学生からのメッセージ

研究開発で社会に貢献

工学部 知能・機械工学課程3年 米岡雅文さん

自動車が好きなので工学系への進学を考えていたところ、関西学院大学が学部再編を行って学部が単体となったことを知り志望しました。自動車の電子化や自動化が加速する中、人工知能(AI)と機械工学の両方にわたる最先端分野の研究ができることに魅力を感じています。また、実際に入学して満足しているのは、専門以外の授業も履修できる点。専門とは別の情報系の授業や、総合政策学部の文系の授業を履修しました。課外活動では理系学生団体の代表として新入生オリエンテーションやオープンキャンパスなどの企画運営に取り組んでいます。メンバー一丸となってよりキャンパスを盛り上げていけたらと考えています。機械工学系の研究や開発業務に携わるのが将来の目標。社会の役に立つような製品を生み出したいと夢を描いています。

大学概要

住所 西宮上ケ原キャンパス=西宮市上ケ原一番町1の155
西宮聖和キャンパス=西宮市岡田山7の54
神戸三田キャンパス=三田市学園上ケ原1番
アクセス 西宮上ケ原=阪急甲東園駅徒歩12分、阪急仁川駅徒歩12分
西宮聖和=阪急門戸厄神駅徒歩13分
神戸三田=JR新三田駅から直行バス15分
学部
(2023年度定員)
神学部(30人)、文学部(770人)、社会学部(650人)、法学部(680人)、経済学部(680人)、商学部(650人)、人間福祉学部(300人)、国際学部(300人)、教育学部(350人)、総合政策学部(495人)、理学部(180人)、工学部(265人)、生命環境学部(228人)、建築学部(132人)
教員 教授514人、准教授117人、講師103人、助教45人
在学生 25679人(5月1日現在)
ホームページ https://www.kwansei.ac.jp/

 

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