新時代を生きる力育む

園田学園女子大学 2024

園田学園女子大学

新時代を生きる力育む

園田学園女子大学は経営学部ビジネス学科、人間健康学部(総合健康学科、人間看護学科、食物栄養学科)、人間教育学部児童教育学科、短期大学部(生活文化学科、幼児教育学科)から成る。社会と関わって成功や失敗を経験することで、学んだ知識を知恵に変えていく「経験値教育」を特色とし、ユニークな活動を次々と展開しながら、新時代を生きる力を育んでいる。

キッチンカー導入

企画から販売まで学生運営

今年、新たに導入した大学オリジナルのキッチンカー

学科や学年を超えたメンバーで構成される学生プロジェクトで経験を高められるのが、園田学園女子大学の学びの特長の一つだ。代表的な横断的学びが「食ビジネス」。近年は宝塚阪急(阪急百貨店)を舞台にオリジナルカレーの開発・販売力を競う「宝塚カレーグランプリ」を他大学に呼びかけ共同開催している。2022年度は食物栄養学科がレシピ開発、短期大学部生活文化学科はパッケージやネーミング、宣伝などを担当してレトルトカレー「まろやか果実トロピカリー」を製造・販売した。また今年から新たに大学オリジナルのキッチンカーを導入し、食ビジネスの実践とコミュニティー創出を図る「SONODA Café Mobility(そのだ カフェ モビリティ)プロジェクト」に取り組んでいる。
導入のきっかけは人気のキッチンカーを学内に呼んでほしいという学生の要望からだった。学内出店が実現し、連日、行列ができる人気ぶりを見た学生たちから、次第に「自分たちもキッチンカーを運営してみたい」という声が寄せられるように。コロナ禍で激減していた実践活動の場を創り出そうと、関西では初となる大学運営のキッチンカー導入を決めた。
ミントグリーンの車体に、英語で大学名が入ったおしゃれなデザイン。キッチンスペースはIHクッキングヒーターやシンク、冷蔵・冷凍庫、クレープ調理器具などを備えた本格仕様となっている。自ら材料や価格を選定し、調理の試作を重ねて本番に臨む学生たち。企画から仕入れ、販売までを一貫して行うことで実際の経営を経験することができる。キッチンカー経営を通じて収入を得ることができるのも学生にとって魅力の一つだろう。
今年1月の導入以降、学生有志がお財布に優しい低価格の豚汁やホットドッグなどをキャンパスで販売。学外では最寄り駅の阪急塚口駅前広場にキッチンカーを出店すると、あっという間にクレープが完売する人気ぶりで、市内で開かれるイベントへの出店要請も相次ぐ。

ビジネスコンテストで準優勝も

伊丹市でのビジネスコンテストにビジネス学科の3人が挑戦。クレープのキッチンカー販売事業を提案し、準グランプリを受賞した

また、2月に伊丹市で行われたビジネスコンテストにビジネス学科の3人が挑戦。地域の特産品「たみまるレモン」を使ったクレープのキッチンカー販売を事業提案して準グランプリを受賞するなど、活用の幅は学内外でさらに広がっていきそうだ。

食物栄養学科

消費者の視点で商品開発

チョコレート製品のコラボ開発に向け、地元企業の担当者(手前)と協議、試行錯誤を重ねた

国家資格・管理栄養士を目指す食物栄養学科が近年力を入れているテーマが商品開発。「病院の患者らに直接栄養指導ができるのが管理栄養士で、以前は病院に就職を希望する学生が大半だった。だが近年は多様化が顕著で、企業などで商品開発を望む学生も増えている」と食物栄養学科の渡辺敏郎教授は話す。
そうした希望に応えて食品メーカーなどと連携しながら学生自ら商品づくりを担い、販売まで手がける機会を20年から毎年設定。20年に開発した栄養機能食品マヨネーズは現在も店頭に並ぶ人気商品で、21年はジェラート開発に取り組んだ。これらはまさに、大学が特色とする「経験値教育」そのもの。ものづくりの大変さや事業化の難しさを理解し成長できるほか、就職活動でも企業から高い関心が寄せられるという。

地元メーカーとチョコ製品

昨年始まった第3弾では、地元企業とのコラボレーションが初めて実現。尼崎市の老舗チョコレートメーカー「高岡食品工業」の協力を得て、新商品の開発に取り組んだ。まず全学科生にアンケート調査を実施し、結果をもとにラズベリーやパイナップル入りでビターチョコを使った棒状チョコを試作。しかし企業にプレゼンテーションすると、機械の構造上生産が不可能だと分かり、棒状から丸型に変更した。果物の大きさを変えたりコーティング方法を工夫したりと、メーカーの担当者と何度も話し合いながらドライフルーツ入りチョコレートを完成。パッケージやネーミングもメンバーで協議を重ね、ようやく発売日を迎える。
「最初『自分たちが食べたい』商品ばかり考えていた学生が、『消費者が買いたい』商品づくりを考えるようになる過程で成長が見られた」と渡辺教授。「入社してすぐ企画開発を行える卒業生は少ないが、営業・販売などの部署を経て商品開発を担うケースは増えており、学生時代の貴重な経験がきっと将来に役立つはず」と話している。

経営学部ビジネス学科

課題解決型学習の実践重視 福崎町の観光推進へ 妖怪グッズを提案し商品化

福崎町の観光推進アイデアの依頼を受け、お土産用の「ガジロウフェイスパック」を提案、商品化を果たした

21年4月に開設した経営学部ビジネス学科では、「PBL(課題解決型学習)」の実戦経験を重視。自治体や企業と協働し、さまざまなプロジェクトを実施する。学生たちはフィールドワークを行い、チームで課題の解決に取り組む。

商品化された「ガジロウフェイスパック」

22年度は兵庫県福崎町から依頼を受け、同町が課題とする観光推進のための施策の提案を行った。学生たちは、現地を訪れて調査を行い、同町出身の民俗学者・柳田国男の著書から着想された妖怪「ガジロウ」に着目。「ガジロウ」をデザインした土産を提案し、商品化に結び付いた。23年度の1年生には尼崎市や地元企業を中心に7種のPBLプロジェクトを用意。取り組みを通じて、ビジネスの基本や協働する大切さを学ぶことができる。
大江篤学長は「座学の企画提案で終わらず、実現して形になる手ごたえを感じられるのがPBLの特長。失敗も含めて経験から多くのことを学んでもらいたい」と話している。

学長に聞く

学んだ知識体験で実感

―教育の特色は。

大江篤学長

学園のルーツは1938年、当時の園田村村長が地域における女子教育振興を目指して開校した園田高等女学校にあります。その後、短期大学、女子大学を開学し、今年は短期大学の開学から60年を迎えます。教育理念の「凜(りん)としてしなやかに、地域とともに、社会をきりひらく女性の育成」のもとにこれまで数多くの人材を社会に送り出しています。

―取り組みの現状は。

本学や最寄り駅である阪急塚口駅の周辺で「大学のあるまちづくり」を早くから進めてきましたが、コロナ下で歩みを一時止めざるを得ませんでした。ようやく昨年秋から、学内の子育て支援施設や公開講座を再開することができました。これから子どもからシニア層まで集まるキャンパスに戻し、地域に開かれた大学を再構築します。
また、これまで続けてきた学生・教職員や地域の人々が対話を通して、多様な話題を深める取り組みを、「SONODAオープンラボ」として新たに再開することになりました。

―受験生にメッセージを。

本学が特色とする「経験値教育」は、教室で学んだ知識を社会での体験を通じて実感し、気付きを得た上で次の学びにつなげる循環型教育です。授業では、課題解決型学習を取り入れています。学生同士が協力をし、さまざまな地域課題に取り組んでいます。その中で、当初抱えていた「コミュニケーションを図るのが苦手」「リーダーシップを取ったことがない」という不安を自信に変えています。長年培った地域とのつながりがある本学で、皆さんにさまざまな体験を通じて新たな気付きを得てほしいと思います。

在学生からのメッセージ

ソフトの楽しさ伝える

人間健康学部総合健康学科 健康スポーツコース 3年 飯島綾香さん

アテネ、北京五輪の金メダルに貢献した上野由岐子投手のプレーに感動してソフトボールを始めました。高校の先輩たちが園田学園女子大学で成長していく姿を見て、日本代表のコーチ経験もある木田京子監督の指導を受けたいと思い進学。1年生のとき全日本大学女子選手権で優勝し、さらに日本代表として出場した「第3回アジア女子大学選手権大会」で優勝した経験から、園田のレベルの高さを改めて実感しました。健康スポーツコースでは運動生理学や運動処方を学び、自分の課題だった下半身強化に取り組むことで、投球フォームが安定し、球速がアップ。目標はエースとして、チームのレベル向上に努め、日本一を奪還すること。さらに実業団の選手として活躍し、ソフトボールの楽しさを伝え、競技人口の増加に貢献できたらと考えています。

大学概要

住所 尼崎市南塚口町7の29の1
アクセス 阪急塚口駅徒歩10分、阪神尼崎駅から阪神バス13系統阪急塚口行き(11分)南塚口町1丁目下車すぐ、JR立花駅から阪神バス14系統阪急塚口行き(7分)園田学園女子大学下車すぐ
学部
(2023年度定員)
人間健康学部=総合健康学科95人、人間看護学科80人、食物栄養学科80人▽人間教育学部児童教育学科80人▽経営学部ビジネス学科120人▽短期大学部=生活文化学科50人、幼児教育学科95人
教員 教授41人、准教授32人、講師5人、助教12人、助手8人
在学生 1434人(5月1日現在)
ホームページ https://www.sonoda-u.ac.jp/

 

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