いのち支える人材育成

神戸常盤大学 2023

神戸常盤大学

いのち支える人材育成

神戸常盤大学は、医療と教育に特化した学部構成で、少人数教育をモットーとする。保健科学部は医療検査学科・診療放射線学科・看護学科に、2022年度、短期大学部での実績を元に、県内唯一の四年制に移行した口腔(こうくう)保健学科が加わった。教育学部こども教育学科は保育・幼児教育と義務教育の2コースを擁し、多職種と連携する「チーム学校」について学ぶなど、独自のプログラムを用意。ともに「いのち」に寄り添い、支える専門職業人を育成している。

こども教育学科

3つの独自教育プログラム

保育・幼児教育コースと義務教育コースがある「こども教育学科」

保育・幼児教育と義務教育の二つのコースを擁するこども教育学科。神戸常盤大学ならではの、三つの独自教育プログラムがある。子どもがけがや病気をしたり、一緒にいるときに災害が起きたり―。不測の事態の対応力を育む。
【TEAM力育成教育プログラム】初年次、全学科生が参加する「まなぶる▼ときわびとⅠ・Ⅱ」は、他学科の学生と課題解決に取り組み、チームで協働、多職種と連携する。さらに「チーム学校論」を学び、協調性やコミュニケーション力を身につける。
【子どもの健康教育プログラム】保健科学部の専任教員が本学科の授業も担当するため、子どものむし歯の予防法や、障がいや病気の専門知識を習得できる。採用面接でのアピール材料にもなりそうだ。
【防災教育プログラム】阪神・淡路大震災を経験した神戸の大学として、学校現場で災害時にどう対処するか、どんな支援ができるかを地域との関わりの中で学ぶ。教育・保育に生かせる防災知識を習得する。

23年度 中学教諭免許も取得可能に

神戸に5施設ある子育て総合支援施設「KIT(きっと)」。こども教育学科の学生の学びの場になっている

また、義務教育コースでは、来年度から従来の小学校教諭一種免許状に加え、中学校教諭一種免許状(理科)も取得できるようになる(認可申請中)。これは西日本の私立大学では初のケースとなる。

「認定絵本士」養成へ

23年度、講座開講予定 4年制初

こども教育学科では、23年度から県内四年制大学で初となる「認定絵本士」の養成講座開講を予定している(認可申請中)。
絵本に関する深い知識や高度な技術を備えた専門家で、絵本専門士委員会(事務局・国立青少年教育振興機構)が認定する。卒業後、実践を積めば、保育者に人気抜群の「絵本専門士」へのステップアップも可能。

口腔保健学科

今春、県内初の4年制に

今年度から県内唯一の四年制に移行した「口腔保健学科」。国家試験対策も万全

短期大学部から四年制に移行した口腔(こうくう)保健学科。県内では初、全国の四年制大学では13番目となる。
国家試験に合格すれば、歯科衛生士の資格は三年制でも取得できるが、四年制大学で学ぶメリットとは何か。本学科は三つの柱として、高度な専門スキル▽キャリアを築く+αの資格▽〝食べる〟を支える力―を挙げる。

高度な専門スキル習得

高度な専門スキルは、病院での入院や手術前後の患者の口腔ケアのスキル▽小児・矯正歯科での対象年齢に応じたスキル▽地域での健康教育や訪問指導を行うスキル―など。三年制を越えるハイレベルな技能を身に付けられる。
キャリアを築く+αの資格は、一生の仕事として続けるためのキャリアの築き方を学ぶこと。四年制だと、企業でのインターンシップや国際保健医療活動などの科目の設置や、保育士、歯科医療事務管理士、食生活アドバイザー、食育指導士などの資格取得が在学中に可能となる。
〝食べる〟を支える力とは、口腔健康管理による〝食べる支援〟を行うこと。食べるのが遅いなどの問題がある子どもから、咀嚼(そしゃく)や嚥下(えんげ)が困難な高齢者までを支えていく。一生、自分の口から食べることは健康寿命を延ばすことにつながる。4年間で、そうした全身管理も含めた知識や技能が養われる。
歯科衛生士の需要が増加する中、病院や企業、専門性の高い歯科診療所などに活躍の場が広がりそうだ。さらに四年制は一般企業に就職しやすく、総合職に就けるチャンスが広がる。

学内外に多数の実習施設

このほどリニューアルオープンした「歯科診療所」

実践力を磨く施設も充実している。大学内にある歯科診療所は、コロナ下でも臨地実習を行いやすい上、講義と実習の指導者が同じなのも学生にはうれしいところだ。実習施設はほかにも、関連病院の「ときわ病院」(三木市)など学内外に数多くある。
また、この歯科診療所はこのほどリニューアルオープンし、学生の実習だけでなく、一般患者がむし歯の治療や歯科矯正を受けられるようになった。車いすのまま利用できる診療台を導入し、3台から4台に増やした。地域に根差した大学ならではの対応だ。

診療放射線学科

担任・チューター制で丁寧に

診療放射線技師を育てる学科として、20年度に開設された。豊かな教養と人間性、医療を支える高い知識と技術を兼ね備えた、社会に貢献できる技師の養成を目指す。少人数グループを編成し、担任・チューター制によるきめ細かな指導を行っている。

医療検査学科

臨床検査技師養成に実績

 臨床検査技師や細胞検査士を養成する。医療分野で臨床検査を担当し、検査技術の高度化や複雑化に日々対応している。PCR検査を行うのも仕事の一つ。一昨年、学内に登録衛生検査所も開設した。本大学は全国第1号の臨床検査技師養成指定大学で、50年を超える技師養成の歴史と実績がある。ダブルライセンス取得も可能。

看護学科

保健師、養護教諭の資格も

 看護学を系統的に学び、実習で臨床力を高める。21年の看護学教育の歴史と実績があり、多数のOB・OGが県内外の医療・教育現場で活躍中だ。保健師・養護教諭資格の取得により、病院だけでなく在宅や地域、学校での生活を支える看護専門職を目指す。

学長に聞く

チーム力引き出す学び

―教育の特色は。

濵田道夫学長

本学のルーツは1908年に創立された私立家政女学校にあります。「庶民の実学」を重視するその建学の精神を受け継ぎ、地域と連携し、地域に貢献する「医療」と「教育」を二本柱として専門職業人の育成に努めてきました。神戸市長田区と兵庫区、中央区・西元町で展開する子育て総合支援施設、総称「KⅠT(きっと)」は地域に根差した施設として親しまれています。
この数年、医療の守備範囲の拡大にも力を入れ、2020年度に診療放射線学科を開設し、22年度からは短期大学部の口腔保健学科を、県内で初めて四年制に改編しました。

―将来のビジョンは。

医療分野では、人手の確保とクオリティーの向上が今後、長期にわたる課題となっています。口腔保健学科を、高度な専門スキルが身に付き、キャリアが築ける四年制大学に移行させた理由もそこにあります。10年先を見据え、柔軟性のある教育機関を目指す中で、医療と教育に絞った、少人数教育をモットーとする本学の特長を伸ばしていきたいと考えています。

―どんな学生を求めているか。

本学では国家資格の取得を目指したり、教育現場で活躍したり、具体的な将来像を描いて入ってくる学生がほとんどです。現在、多職種間の連携を進める「チーム医療」や「チーム学校」の考え方が重要になってきています。専門職業人を目指すからこそ、横のつながりを重視し、視野を広げてほしい。本学では入学時から一貫して、チーム力を引き出す独自の教育プログラム、学びの場を提供していきます。

在学生からのメッセージ

信頼される放射線技師に

保健科学部 診療放射線学科3年 原口 理子さん

 神戸常盤大学は母の出身大学です。母から「サポートが手厚い」と聞き、国家試験や就職活動にも安心して取り組めると考え、進学を決めました。新設学科の診療放射線学科を選んだのは、中学生の時、病気でMRIやCTの画像検査を受けた経験から、「私も画像検査に携わり、医療に貢献したい」と思ったからです。学習は難しいときもありますが、先生との距離が近く、分からない箇所をすぐ質問できるなど学習環境は抜群です。プライベートでもよく相談に乗ってもらっています。今秋からの臨床実習では、患者さんとの接し方や画像検査技術を直接学ぶのが楽しみです。国家試験の合格を目指し、就職後、すぐに役立つ知識や技術を習得するよう頑張ります。病院に就職し、誰からも信頼される診療放射線技師になるのが目標です。

掲示板

公開講座のお知らせ

神戸常盤大学では、神戸常盤地域交流センターが地域の皆さまの生涯教育に対するご要望にお応えし、本学の知的財産を広く地域社会に還元するために、公開講座を開講しています。
本年度前期講座では、本学教員による

  • 「健康に年を重ねるためのフレイル予防」
  • 「ロマンティックツアー」
  • 「絵本の可能性を考えよう」
  • 「X線とはなにか?」
  • 「血管年齢とは」

などの講座を開講いたします。

また、7月には外部講師を招き、「セカンドらいふ・私の生活設計と資金計画」として人生100年時代に必要な力についてお話しいただきます。
多くの皆さまのご参加をお待ちしています。

申し込み方法などの詳細については、順次本学HPにて公開を予定しております。

大学概要

住所 神戸市長田区大谷町2の6の2
アクセス 神戸高速鉄道西代駅徒歩9分、JR新長田駅徒歩15分
学部
(本年度定員)
保健科学部(310人)、教育学部(80人)
教員 教授46人、准教授17人、講師34人、助教13人、助手1人
在学生 1527人(男子302人、女子1225人)、通信制課程299人(男子23人、女子276人)(5月1日現在)
ホームページ https://www.kobe-tokiwa.ac.jp/univ/

 

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