情報社会けん引目指し

神戸学院大学 2023

神戸学院大学

情報社会けん引目指し

神戸学院大学は、神戸市内の二つのキャンパスに文系7学部、理系3学部、大学院8研究科を展開し、1万1千人余りの学生を擁する同市最大の私立総合大学だ。デジタル時代の到来に応え、本年度、全学的なデータサイエンス教育プログラムをスタートした。来年度には経営学部を改組し、データサイエンス専攻を設置する。多彩な学部が持つ特長を最大限に生かし、専門知の統合を図りながら、より幅広い知識・技量を有する人材養成を目指す。

23年4月、経営学部改組

データ活用・課題解決力を習得

来年4月改組される経営学部。新設の「データサイエンス専攻」では、データ活用力と課題解決力を身に付ける

多様化し複雑化する現代社会で事業を継続・発展させるには何が必要か―。より実践的な学びを推進しようと、来年4月、経営学部を改組する。
現在、経営学科にある3コース(経営・商学コース、会計コース、経営情報科学コース)を発展させ、企業経営や財務・会計学などについて学ぶ「経営・会計専攻」と、データの処理分析などについて学ぶ「データサイエンス専攻」の二つに再編する。
データサイエンス専攻は、膨大なデータから、ビジネスに役立つ価値をより的確に選ぶための実践的なカリキュラムが用意される。

国際ビジネス視野、語学にも注力

AI(人工知能)や、あらゆる機器を通信でつなぐ「IoT(モノのインターネット)」の普及に伴って、「Society(ソサエティー)5・0」時代がやってくる。そこでは、国の提唱する仮想空間(サイバー空間)と現実空間の高度な融合が、経済発展と社会課題の解決を両立させる。
こうした時代の要請を受けて、データサイエンス専攻では、データを活用するための知識・スキルを身に付け、即戦力として活躍できる人材や、企業のイノベーション(革新)創出に貢献できる人材を育てたいとしている。
さらにグローバルな経営には、外国語を使ったコミュニケーションが必要不可欠だ。経営学部では、学生たちが、国際ビジネスに活用することができる実践的な英語や中国語を学んでいる。

数理・データサイエンス・AI教育

今春から全学的に展開 学術的知識と併せ強みに

本年度、全学生対象の共通教育科目としてスタートした「数理・データサイエンス・AI教育プログラム」は、情報社会をけん引する人材を育てるのが狙いだ。
そもそもデータサイエンスとは何か―。日々膨大なデータが生み出され、収集されている現代社会において、例えば、企業や自治体には、データの分析を通じたエビデンス(証拠)に基づく意思決定が求められるだろう。
例えば、アンケート結果の分析には、自由に書かれた文章から価値を見いだす手法「テキストマイニング」が使われている。数値ではない回答は数量化分析する必要がある。身近な例では、よく行く店のポイントカード。誰しも何枚か持っているが、企業側の「どんな人がどんな買い物をする傾向にあるのか」というマーケティングにも活用されるという。

「数理・データサイエンス・AI教育プログラム」は、数学が苦手な学生にも取り組みやすい内容

こうしてみると、数学や統計学の手法を用いて、データから新たな傾向を導き出し、新たな価値を生み出すのは、現代人に不可欠な素養に違いない。
プログラムでは、データの利活用と見える化、ソーシャルネットワークやビッグデータの分析事例など、多様な視点からデータの潜在的価値について考える。
プログラムのうち、講義系科目「データサイエンス基礎」=1年次前期・2単位▽「データサイエンス」=1年次後期・2単位(いずれもオンライン講義)―は、数学が不安という学生にもポイントを押さえ、分かりやすく解説するのが特長だ。
実習系科目「ICT実習Ⅰ・Ⅱ」=1年次前期・後期各1単位=は、体験することに重点を置いている。計6単位を取得すれば、カリキュラム修了の認定が与えられる。
経営学部の小川賢教授(情報経済論)は「これからのデータ駆動社会を生き抜くためには、教養を身に付けた上で、情報を活用する能力が必要」と話す。さらにネットを介した交流や情報共有が当たり前の学生たちにとって、生活の中で関わる情報やデータを適切に取り扱う能力であるデータリテラシーは、生きる上で必須の学びといえるだろう。

キャリア実現へ充実支援

資格、試験突破へ42講座

自ら考え、行動する力を徹底的に鍛え、高い目標を描く学生をバックアップするプログラム「就活塾」

キャリアサポートは4年間を通じた計画的・段階的なプログラムを通じ、学生一人一人が目標とする卒業後の進路に向け、充実した支援体制を整えている。
1年次に学生生活の目標と人生設計について考え、2年次に「社会で働く意味を考えるプログラム」を通じて職業観を養い、目指す職業を見つけてもらう。3年次以降は、業界研究セミナーや就職ガイダンス・講座を通じた各種サポートのほか、キャリアセンター職員が個別指導を行うなど、一人一人に寄り添いながら、柔軟かつ丁寧に対応している。
さらに、国家資格をはじめとした各種資格試験や公務員試験の突破に向け、42講座を開講している。課外講座・資格サポート室の職員が学生一人一人の相談に乗りながら資格取得プランを提案し、将来のキャリア実現を後押ししている。

進路ガイダンスの様子

こうした取り組みの結果、2019~21年度の実績は、行政書士44.4%(全国平均11.2%)▽宅地建物取引士41.9%(全国平均15.6%)―など、難関国家資格試験でも高い合格実績を維持している。国家公務員、地方公務員、警察官など公務員採用者数は過去5年間(17~21年度卒)で559人に上っている(臨時採用者を除く)。
また、就職支援に関する協定を兵庫をはじめ、近畿・中部・中四国・九州の19府県と締結。地元企業における学生のインターンシップ派遣・受け入れや、合同企業説明会開催などを通じ、U・Iターン就職希望者の支援充実に取り組んでいる。

学長に聞く

文理融合 多様な学びを

―新学長(4月1日就任)として、目指す大学は。

中村恵学長

本学は神戸市内最多の学生と、最多の学部(文理10学部)を擁し、受験生の多様なニーズに応える私立総合大学として体制を整えてきました。ただ、一つの専門知だけでは社会課題の解決が困難な時代を迎えています。推し進めたいのは、本学が保健・医療福祉分野で行ってきた「専門職連携教育(IPE)」のような学部横断型の学びや、学外に飛び出し、企業や行政、地元との関わりを通じ、社会のありようを考えるアクティブ・ラーニングです。学部の枠を超える取り組みは工夫が要りますが、本学が培ってきた文理融合型の多様な学びを学生たちに実感してもらいたいと考えています。他大学の学生と共に学ぶ仕組みも検討していきます。
―全学的な「数理・データサイエンス・AI教育プログラム」を展開している。
人工知能(AI)の発展により、脚光を浴びているのがデータサイエンスです。本年度からこのプログラムを全学部の共通教育科目の中に取り入れ、来年度から経営学部にデータサイエンス専攻を設けるのは、文系理系を問わず、データ活用の巧拙が仕事の質を決めるからです。学生たちに、科学的根拠に基づくデータ分析の基礎的な素養をしっかり身に付けてほしいと願っています。

―全学的な「数理・データサイエンス・AI教育プログラム」を展開している。

人工知能(AI)の発展により、脚光を浴びているのがデータサイエンスです。本年度からこのプログラムを全学部の共通教育科目の中に取り入れ、来年度から経営学部にデータサイエンス専攻を設けるのは、文系理系を問わず、データ活用の巧拙が仕事の質を決めるからです。学生たちに、科学的根拠に基づくデータ分析の基礎的な素養をしっかり身に付けてほしいと願っています。

―どのような学生に学んでほしい。

アンテナを広げ、少しでも疑問に感じたら、まずは調べてみる。他者に積極的に関わっていく。そんな若者を歓迎します。大学における能動的な学びが確かな未来につながっていく。そのためのキャリア支援を丁寧に行っていきます。

在学生からのメッセージ

地域医療に貢献目指し

薬学部薬学科6年 柴田隆史さん

 神戸学院大学を選んだのは、西宮の自宅から近く、高校から続けているアーチェリーのクラブがあったことが決め手になりました。学部数が多く、他学部の学生と交流を深められるのも魅力です。薬学部に進んだのは、もともと化学が好きで、薬剤師の父親の影響もあったと思います。今は在籍している研究室で、関心のある金属触媒反応などの研究に取り組んでいます。さらにチーム医療を考える「専門職連携教育(IPE)」で他職種について学べたことは、薬剤師を目指す私にとって本当によい経験となりました。大学では国家試験に向けてサポートを受けることもできます。患者さん一人一人に関わりながら、地域医療に貢献できる医療人になるのが目標です。大学での学びを生かしつつ、今後も研さんを積んでいきます。

掲示板

公開講座、演奏会参加を

「あなたならどうする?-つきあい方の科学-」

土曜公開講座 「2023年4月経営学部データサイエンス専攻開設」を記念し、「データサイエンスで拓(ひら)くあたらしい生活(くらし)」をメインテーマに開講。
データが日常どのように活用されているかなどについて、地域の皆さんにお話しします。

開催日
6月25日(土)

第447回 イラン音楽の世界 ~レクチャー・コンサート~

グリーンフェスティバル 地域の皆さんを対象に、クラシック音楽や日本の古典芸能・演劇などを提供しています。

開催日 時間
6月24日(金) 18:00開演
6月25日(土) 15:00開演

※日程により開催キャンパスが異なります。
いずれも参加無料。詳細はHPまで。

詳細はこちら

大学概要

住所 ポートアイランドキャンパス=神戸市中央区港島1の1の3
有瀬キャンパス=神戸市西区伊川谷町有瀬518
アクセス ポートアイランド=ポートライナーみなとじま駅徒歩約6分
有瀬=JR明石駅から神姫バス「神戸学院大学方面」行き
学部
(本年度定員)
法学部(450人)、経済学部(340人)、経営学部(340人)、人文学部(300人)、心理学部(150人)、現代社会学部(220人)、グローバル・コミュニケーション学部(180人)、総合リハビリテーション学部(170人)、栄養学部(160人)、薬学部(250人)
教員 教授160人、准教授75人、講師62人、助教28人、助手1人
在学生 1万1322人(5月1日現在)
ホームページ https://www.kobegakuin.ac.jp

 

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