専門性高め社会貢献へ

兵庫県立大学 2023

兵庫県立大学

専門性高め社会貢献へ

国際商経、社会情報科学、工、理、環境人間、看護の6学部と9大学院研究科、5付置研究所、付属中学・高等学校を擁する兵庫県立大学。世界最先端の研究施設をはじめ、県内の多様な施設と連携した恵まれた教育研究環境を持つ。企業や地域と連携した実践に基づく教育により地域社会、世界で活躍できる人材を養成する。

看護学部 最先端技術を看護に

平面図や写真では分かりにくい人体の仕組みを、VR(仮想現実)ゴーグルを使って学習する学生

看護学部は、県内で唯一、看護師と保健師を統合したカリキュラムを設け、助産師養成や養護教諭養成の課程も選択可能だ。幅広い知識と最新の技術を取り入れた教育で視野を広げ、先が見えない時代に柔軟に対応できる人材を育成する。
第一線で活躍する教員の下、最新の研究成果を教育に反映し、ゲノム医療や人工知能も取り上げるなど看護への応用と限界を実践的に学ぶ。授業では、対話による気付きを重視するとともに、生体シミュレーターや分身ロボットなどを使った再現性の高い演習により、デジタル化に対応した教育を提供する。最先端テクノロジーを導入し、メタバースでの認知症や色覚障害の疑似体験ができるほか、VRブースを常設し、拍動する心臓の断面や呼吸障害の肺の空気の流れなど生体解剖でも体験できない世界をリアルに可視化し、自由に操作できるのも特長だ。

環境人間学部 複眼的視点でSDGs促進へ

環境人間学部(食環境栄養課程)の学生らがフィリピンの小学校で食育の授業を行い、現地の教師や保健関係者と交流した(コロナ禍前)

環境人間学部は、1998年の学部創設以来、今や世界共通目標であるSDGsの理念に先駆け、環境の持続性と人間の暮らしの豊かさの両立を追求している。
人間形成系、国際文化系、社会デザイン系、環境デザイン系の四つの専門教育と、管理栄養士・栄養教諭を養成する食環境栄養課程で専門性を深めるとともに、幅広い学びや地域での活動などを通して実社会で通用する実践力を磨く。
特に国連が掲げる「環境と経済」「教育と貧困」など、SDGsの複数のゴールのつながりに着目し、生物地球科学と経済学の連携による在来生物の減少要因分析、臨床心理学と社会学の連携による児童養護施設支援など、「複眼的視点」で課題解決を目指す。教員、学生・卒業生らが地域と連携して、その実現や社会への還元に努め、ポスター展の開催やウェブサイトでの発信など普及啓発にも精力的に取り組んでいる。1級建築士の受験資格や保健体育の教員免許の取得も可能だ。

理学部 新たな理学研究、間近に体験

SPring―8に隣接する県立大のニュースバル放射光施設(手前)

理学部では多様な思考力や方法論を学ぶため、数学・物理学・化学・生物学など従来の学問体系の枠組みを超えた「物質科学」と「生命科学」の二つの広い視点から教育・研究を進め、多様な思考力・方法論を学ぶ。
理化学研究所が所有する世界最高性能級の大型放射光施設SPring―8(スプリングエイト)やX線自由電子レーザー施設SACLA(さくら)をはじめ、大学が設置する放射光施設NewSUBARU(ニュースバル)などの大型研究施設が集積し、これらの施設を利用した物質・分子の超微細な構造研究など独自の先端研究に取り組める。
2021年には理学研究科を再編・新設し、インフォマティクス(情報科学)で物質科学と生命科学の枠を超えた新たな理学研究が進められており、学問融合を間近で体験できる。

工学部 高度な知識から独創性養う

工学部では、「ものづくりのエキスパート」を育成するために、機械・材料工学科、電気電子情報工学科、応用化学工学科の三つの学科で基礎から最先端の教育までをカバーしている。
座学に加え、実践力を養う演習や実習・実験、独創性・創造性を育む卒業研究などを通じて、自らの学びを実感できるカリキュラムが特長。
大型放射光施設SPring―8やスーパーコンピューター「富岳」などの世界最先端の設備と連携し、レベルの高い教育・研究を展開している。さらに、水素エネルギー研究センターがけん引するグリーンイノベーションなど、未来への挑戦を続けている。
新学舎の建設も進み、夏ごろには機械材料化学研究棟(C棟)が完成する予定だ。

国際商経学部 経済・経営を両輪に世界視野

外国人留学生と日本人学生が共に過ごす、国際性あふれるキャンパスの日常

急激に変化する社会経済に対応し、経済学・経営学を両輪に地域社会やグローバル社会を切り拓(ひら)く人材を育成する。
「経済学コース」「経営学コース」では、2年次に希望コースを選択する。経済学と経営学の融合領域を学ぶプログラムもある。「グローバルビジネスコース」は、世界中から集まった留学生とともに全ての授業を英語で学ぶ。さらに、国際学生寮では留学生との共同生活を体験する。
1年次後期からのプロジェクト・ゼミでは、地域や企業が抱える課題の解決に取り組むプロジェクト・ベースの活動を実施。教室で得た知識を実社会に応用する実践的な学びの場となっている。

社会情報科学部 IT最前線から実践的学習

最新機器を使って、講義を受ける学生たち

社会情報科学部では、社会が抱えるさまざまな課題をデータサイエンスやAI(人工知能)などの情報技術によって解決に導き、文理融合分野で活躍できるIT人材を育成している。
企業から提供される生きたデータを用いた演習やフィールドワークをはじめ、最前線で活躍する企業人や研究者を招いて講義を実施。専門科目では、情報科学から社会科学の幅広い分野をカバーし、それぞれの分野の専門知識と技能を深められる。
新設の情報科学研究棟は、最新の情報機器やラーニングコモンズを備え、コロナ禍で急速に進展するDX(デジタルトランスフォーメーション)や、幅広い分野に応用されるAI関連技術への対応など、社会の関心やニーズを反映したカリキュラムに対応している。

学長に聞く

多様性、国際性育てる

―大学の特色は。

太田勲学長

本学は県内各地にある10のキャンパスに6学部、9大学院研究科、5付置研究所、付属中学・高等学校を擁する多様性に富む全国トップクラスの公立総合大学です。各学部は、それぞれ国や県の最先端の研究機関、施設と連携することにより特色ある先進的な教育・研究を行っています。
次代の社会ニーズを踏まえ、2019年に開設した国際商経学部と社会情報科学部をはじめ、工学部や理学部では、放射光施設やスパコンと連携した教育研究を展開しています。また、環境人間学部は、SDGsにつながる多くの学びがあります。看護学部では、情報看護を強化して、ケアの専門家を育成しています。本学の各学部は、学生ファーストをモットーに、その特色を生かしながら、次代を見据え、日々進化を続けています。

―県立大学ならではの学びの特長は。

各学部における主専攻の学びに加え、地域や世界のリーダーを育成するために副専攻を設け、修了要件を満たすと修了証書を交付します。専門的な学びの根底には、物事を多面的に見ることのできる人間力を育てる哲学、歴史、倫理などの教養が欠かせないと考え、教養教育のあり方についても検討を進めています。

―どのような学生に来てほしい。

課題意識を持ち、それを解決したいという意欲を持った学生に、本学の恵まれた環境で能力を伸ばしてほしいと思います。コロナ禍の経験を踏まえ、本学ではサイバー空間とフィジカル空間をベストミックスした教育を推進します。ぜひ、この大学に通ってよかった、という体験をしてください。

在学生からのメッセージ

行動する大切さ学んだ

理学部生命科学科4年 松永麻穂さん

 もともと動物が好きで、大学が連携する理化学研究所の大型放射光施設「SPring―8」を使って生命に関する先進的な研究をしたいと考え、進学を決めました。講義を受けるうちに神経生物学に興味が湧き、現在は所属している研究室で見つかった、神経細胞(CEMAPOC)と摂食行動の関連性についての研究をしています。中高の6年間、放送部にいた経験を生かしたいと思い、入学式の司会に立候補し、昨年実現できたのは良い思い出です。大学生活を通じて、やりたいと思ったことには行動を起こすことの大切さを学びました。今後は大学院に進学し、現在進めている研究をさらに深めたいと考えています。上郡町にある播磨理学キャンパスは自然豊かなところです。秋の見事な紅葉を、ぜひみなさんに見てほしいです。

掲示板

公開講座参加受け付け

■山陰海岸ジオパークの豊かな自然と人々のくらし

山陰海岸ジオパークや但馬地方の各地を巡り、土地の成り立ちや自然・文化を学ぶ。

開催日程 場所
7月3日(日) 豊岡市
10月16日(日) 鳥取市
11月13日(日) 豊岡市
12月4日(日) 姫路市
■ものづくり産業と放射光分析の関わり

放射光がどのように使われているのかを、産業界との関わりを中心に概説。

開催日程 場所
7月30日(土) 姫路工学キャンパス

 

そのほか、魅力ある講座を多数開催予定

詳細はこちら

大学概要

住所 神戸商科=神戸市西区学園西町8の2の1
姫路工学=姫路市書写2167
播磨理学=赤穂郡上郡町光都3の2の1
姫路環境人間=姫路市新在家本町1の1の12
明石看護=明石市北王子町13の71
アクセス 神戸商科=神戸市営地下鉄学園都市駅徒歩10分
姫路工学=各線姫路駅から神姫バス「県立大工学部」
播磨理学=JR相生駅から神姫バス「県立大理学部前」
姫路環境人間=各線姫路駅から神姫バス「県立大環境人間学部」
明石看護=各線明石駅から神姫バス「がんセンター前」
学部
(本年度定員)
国際商経学部(360人)、社会情報科学部(100人)、工学部(352人)、理学部(175人)、環境人間学部(205人)、看護学部(105人)
教員 教授234人、准教授172人、講師32人、助教82人、助手2人
在学生 6551人(4月1日現在)
ホームページ https://www.u-hyogo.ac.jp/

 

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