兵庫県立大学
地域と世界 つなぐ学び
兵庫県立大学は、国際商経、社会情報科学、工、理、環境人間、看護の6学部と9大学院研究科、5付置研究所、付属中学・高校を擁する。最先端の研究施設の活用が可能な恵まれた教育・研究環境と学際的な学びで、時代の要請に応える高度な専門性を身につけ、社会課題を解決できる人材を育てる。2026年度に改編予定の工学部は、社会の変革に先導的に対応できる教育課程とシステムを構築する。
工学部
1学科5コースに改編

新素材の開発に向け、意見を出し合いながら研究を行う工学部の学生
現代社会においては広い視野で課題を発見し、専門知識や技術を融合して解決する能力が求められる。工学部はこれまでの3学科6コースを、26年度から「電気電子工学」「機械工学」「材料デザイン」「知能情報(新設)」「化学」の1学科5コースに改編し、分野を横断した柔軟な履修を可能にする。具体的には、自然科学専門分野の融合化・複合化に対応し、工学の基礎となる数学と数理・データサイエンスを含む工学の幅広い基礎科目を習得してから、各コースで専門科目を学べるようにする。
学科共通科目と「融合型PBL(課題解決型学習)」では、複数の分野にまたがる課題を所属分野の異なる学生たちがそれぞれの専門知識を生かして実践的に解決する能力を育てる。また、自然災害やエネルギーなど地球規模の社会課題解決に貢献できる人材の育成を目指し、「デジタル技術の活用」「持続可能な脱炭素社会実現」「生活の質の向上」「環境や人にやさしいものづくり」に関わる科目群を、学科共通科目として主に3年次を対象に開講する。
分野横断し幅広く履修可能
社会の変革を先導する技術者・研究者の養成を目指し、学部・大学院一貫教育体制の強化も図る。成績と希望を基に学生を選抜し、学部在籍中に博士前期課程の高度な専門科目を履修できるプログラムを設け、研究者の素地をつくる。
学部での学びについて、電気電子情報工学科3年の藤井仁さんは、「分野で必要な内容について、基礎から専門的な部分まで幅広く学んでいる。工学の知識に加え、発想力や思考力など、学びの中で身につけた力を将来に生かしたい」と語る。
応用化学工学科2年の平井亜加梨さんは「工学の技術が生活の中で役立っていることを実感する。製品を見たときに、あの現象を利用しているのか、この材料にはこんな利点があるのかと気づけるようになったことが楽しい」と話す。
同4年の早﨑麻里子さんは、環境問題を化学の力で解決したいと考え、研究室では有機薄膜太陽電池の有機半導体「アクセプター分子」の設計・合成・物性評価を行っている。「積極的に質問することでより深く理解ができ、化学がさらに好きになった」と語る。
国際商経学部
「フィールド」「データ」重視

授業で和菓子作りを体験し、日本文化に触れた国際商経学部(グローバルビジネスコース)の学生たち
全ての授業を英語で行うグローバルビジネスコースの設置をはじめ、国際的な視野を持ち、多様な社会で活躍できる人材の育成に取り組んできた。今後は、さらに複雑化が進む社会に対応するため、「フィールド」と「データ」を重視した教育に注力する。経済学や経営学の理論を実社会の現場(フィールド)と結んで理解するとともに、意思決定を支えるデータを的確に分析できる力を備えた人材の育成を目指す。
社会情報科学部
DX推進など即戦力養成
提携企業のビッグデータを教育に用いた実践的なデータ分析や人工知能(AI)関連技術の活用など、実社会で即戦力となるデータサイエンティストを育成している。デジタルトランスフォーメーション(DX)推進やデジタル競争力の向上に貢献する人材育成のニーズに応えるため、2027年度から入学定員を100人から160人に増員予定。また、スーパーコンピューターを駆使するなど、より高度な数理情報科学を教育する大学院情報科学研究科との連携を強化し、社会課題に即応できる高度専門人材の育成を目指す。
理学部
最先端研究を自らの手で
理化学研究所の大型放射光施設「スプリング8」や本学独自の放射光施設「ニュースバル」など、最先端施設を活用した教育を通じて、科学的な根拠に基づき、一貫して論理的な思考ができる人材の育成を行う。理学による自然の本質的理解なしには技術や健康医療、環境など社会課題の解決は不可能だ。高校における理科の分野を超えた多様な分野の交流を重んじつつ、「他にない」「とがった」研究を進めている。
環境人間学部
4学科制へ改編を構想中
1学科制を4学科制に再編する計画を構想中。環境人間学科は人間・社会文化の課題に創造的かつ協働的に取り組むことのできる人材を、グリーンサイエンス学科は持続可能な自然資源の活用に貢献する人材を育成する。また、建築地域デザイン学科は、温室効果ガス排出量実質ゼロの「ゼロカーボンシティ」実現など社会的要請に応じることが可能な人材、食環境栄養学科は先端医療にも通じた食と栄養の専門分野で活躍できる人材を育成する。(学科名はすべて仮称、掲載内容は変更となる可能性がある)
看護学部
時代に応じた看護職育成
全学生が保健師の国家試験受験資格を取得できるように看護師教育と保健師教育を統合したカリキュラムを提供。さらに希望者には、助産師や養護教諭一種免許を4年間で取得できるカリキュラムを提供。先の見えない時代に柔軟に対応できる人材の育成を目指している。23年にデジタルヘルスケア・センターを開設。地域で生活する人の「孤立」予防のため、自治体と連携して健康課題のデータを可視化。市民のウェルビーイング向上に寄与する効果的な戦略を立案し、社会課題の解決を目指す。
学長に聞く
世界に通用する学知を
―大学に求められる役割は。

髙坂誠学長
最も重要な役割は、変貌する時代の要請に応える高度な専門性と深い教養、的確な判断力と国際対話力を有し、冒険をいとわない、自立したしなやかな知性を育てることです。二つ目は、世界が直面するさまざまな課題の解決に学際的、実践的な研究活動を通して貢献することです。国際的な産官学連携によりイノベーションを加速させ、その成果を広く社会に還元していきます。三つ目は、豊かで多彩な未来社会のビジョンを示し、新たな価値と希望を生み出すことです。本学は、持続可能な開発目標(SDGs)にうたわれている「誰ひとり取り残さない」の考え方を基軸に、学問の自由と調和を守り、地域から信頼され世界に通用する学知の空間を目指して、学生ファーストの視点から創造的改革を進めています。
―学生に期待することは。
人工知能(AI)に代表される情報科学技術の急速な進展は、大学教育を含め社会環境を一変させました。最先端の科学技術の功利性に目を奪われるだけでなく、氾濫するフェイクを見抜き、自ら考え判断する力と、複眼的な思考から対案を提示する力を、大学生活を通して錬磨することを期待しています。
―受験生にメッセージを。
大学は多様な感性を持った他者と出会い、自己を相対化できる場所です。自らの力を信じ、他者に寄り添い痛みを分かち合いながら、混迷する世界のなかで人々の間に壁を作るのではなく橋を架ける、豊かな地球の未来に責任を持つ若者として成長されることを願っています。待つこと、立ち止まること、遠回りすることがあっても、決して歩みをあきらめないことです。
在学生からのメッセージ
情報技術で社会支える
社会情報科学部 社会情報科学科4年 山根美咲さん
高校1年の時、社会情報科学部の先生の授業を受け、データサイエンティストの仕事を知り、興味が湧いたことから入学を決めました。企業から提供された生のデータを使用し、1年次には問題解決方法を学び、2年次の演習授業では実際にそのデータを分析できたことが非常に印象的でした。情報技術の最前線に触れることで、興味のある分野を見つけることもできました。
課題活動においてはダンス部に所属し、初心者ながら振り付けを考えて一つの曲のダンスを完成させました。また、ダイビングサークルでは、他学部や他大学の学生とも交流を深めることができました。
将来は顧客の声や現場のニーズを踏まえ、データによる課題解決やアプリの開発を行うなど、情報技術で社会を支えていきたいと考えています。
大学概要
| 住所 | 神戸商科=神戸市西区学園西町8の2の1 姫路工学=姫路市書写2167 播磨理学=赤穂郡上郡町光都3の2の1 姫路環境人間=姫路市新在家本町1の1の12 明石看護=明石市北王子町13の71 |
|---|---|
| アクセス | 神戸商科=神戸市営地下鉄学園都市駅徒歩10分 姫路工学=各線姫路駅から神姫バス「県立大工学部」 播磨理学=JR相生駅からウイング神姫(バス)「県立大理学部前」 姫路環境人間=各線姫路駅から神姫バス「県立大環境人間学部」 明石看護=各線明石駅から神姫バス「がんセンター」 |
| 学部 (2026年度定員予定) |
国際商経学部(360人)、社会情報科学部(100人)、工学部(352人)、理学部(175人)、環境人間学部(205人)、看護学部(105人) |
| 教員 | 教授229人、准教授167人、講師26人、助教72人、助手9人(4月1日現在) |
| 在学生 | 6675人(5月1日現在) |
| ホームページ | https://www.u-hyogo.ac.jp/ |