強み生かし学びに磨き

大手前大学 2026

大手前大学

強み生かし学びに磨き

60年近い歴史を持つ大手前大学は、女子教育を起点とし、時代の変化とともに発展してきた。2000年に男女共学となり、国際日本、建築&芸術、現代社会、健康栄養、国際看護、23年に開設した経営の6学部を擁する総合大学だ。27年に情報学部(仮称)を設置構想中で、中規模総合大学としての強みを生かし、学部の垣根を越えた学びの「クロスオーバー」に磨きをかけ、さらに進化していく。

ウェルビーイング実現へ

「知識」「実践力」「信念と志」調和とり三つの力育成

「STUDY FOR LIFE」
「生涯にわたる、人生のための学び」を建学の精神に掲げる。ここで示されるLIFEとは、真善美に対し強い憧れを抱き、よい社会の実現に情熱を燃やす。そのために好奇心を持って視線を磨き、のびのびと健やかに成長していく人生である。そうした人生のウェルビーイング(幸福)を実現するため、生涯にわたり、学び、変わり、成長し続ける人材を育成する。カトレアの花をモチーフにした校章には、花びら一枚一枚に「好奇心、知性、情熱、健康、真善美」の意味が込められている。
建学の精神を受けて設定された「大学ビジョン2030」により、全学部の学びが総合的に展開されている。「一人一人の人生のウェルビーイング」を「胸を打つ教育」を通じて実現する。そのための内容が「知識」「実践力」「信念と志」の三つの力だ。具体的には「豊かな教養と専門知識およびその活用力」「優れた国際感覚と他者と協働して問題を解決する能力」「豊かな人間性と肯定的自己概念および社会的責任を果たそうとする強い意志」である。調和のとれたカリキュラムで、三つの力を育てていく。

「胸を打つ教育」の特徴が「クロスオーバー」制度。学部専攻を超えて自由に履修することができる。例えば経営学部の学生が、現代社会学部の心理学や建築&芸術学部のデザインを学び、多角的な視点を養い知識を広げる。時には教室やキャンパスを飛び出して探究活動を行い、さまざまな体験を重ねる。そして「1on1リフレクション」において、教員との個別面談を通して、学生一人一人の内省を促し、成長を支援する。
「大学ビジョン2030」は名刺大のカードに印刷され、教職員と学生全員が携帯し、理解した上で日々の学びに反映している。平野光俊学長は「ビジョンは単なるうたい文句でなく、具体的に実践し、その効果を可視化して分析している。定員数や定着率、実質就職率など独自の指標からも、着実に成果が出ている」と手応えを語る。

アフリカで1年間、ボランティア活動

国際日本学部卒業の八尾心さん

今春、国際日本学部を卒業した八尾心さん

「ゆさぶる ささる 胸を打つ」教育によって、「生涯にわたる人生のための学び」を体現した学生の一人が、今春、国際日本学部(国際関係学専攻)を卒業した八尾心さんだ。西アフリカのセネガルで約1年間、ボランティア活動のため留学し、「知識」「実践力」「信念と志」の三つの力を獲得した。
八尾さんは高校時代、非政府組織(NGO)のウガンダでの活動について話を聞く機会があり、発展途上国での社会貢献に強い関心を持つようになった。そして大学3年生の時に「虐げられた女性の自立への貢献」という課題を持って留学。現地調査の難しさや公用語のフランス語への不安などつらい時期を乗り越え、あたたかく面倒見がいいセネガルの国民性に触れることができた。また、暴力を受けた女性のためのシェルターの運営者や実際に避難してきた女性にインタビュー。こうした経験を通して、自分の成長を実感できた。

「考え、行動し続け、役にたてた」

西アフリカのセネガルで約1年間、ボランティア活動を行った八尾心さん(右前)

「微力ではあるが、無力ではない。考え続けること、行動し続けることで少し役にたてた」と八尾さん。その上で「生涯をかけて虐げられた女性、教育の機会に恵まれない女性たちを支援し自立を助けたい」という強い信念を持つに至った。大学卒業後は、国際教育協力を研究する大学院に進学。3年間学び、女性を支援するNGOへの就職を希望している。八尾さんは「大学での学びが、今の自分を作っている。やりたいことに挑戦できる環境が、大手前大学の魅力」と話している。

27年、情報学部開設へ

「感性」「情報技術」「デジタル表現」軸に

新学部設置準備室長の畑耕治郎経営学部教授

2027年の開設に向け、設置構想中の情報学部(仮称)。人の心を読み解く「感性」、デジタル時代をリードする「情報技術」、感動体験を創り出す「デジタル表現」の三つを軸に、人々の暮らしのウェルビーイングの実現を目指して、人間と情報技術の調和を探究する教育に取り組む。

「わくわくする未来創造を」

1年の演習ではバーチャルリアリティー(仮想現実)の体験(写真上)やロボット(写真下)の操作など、学生の志向や興味に応じたプログラムを検討している

情報学部では個人の感性に着目したデータ、いわゆる感性情報を扱うことが大きな特色。さまざまなデジタルデバイス(機器)が社会に浸透し、人と技術とのインタラクション(相互作用)が増え続ける現代社会において、「心地よさ」「かわいい」などの感性価値を重視した情報デザインがますます重要になってくるという。「デジタル技術でわくわくする未来を創造したいという意欲のある人にぜひ来てほしい。私たちは、人間がどのように感じ、考え、表現し、行動するかのデータを利活用して、ウェルビーイングを実現する新たなサービスやシステムを創造できる人材の育成を目指す」と新学部設置準備室長の畑耕治郎・経営学部教授。
まさに今、一般企業や公共機関を問わず、幅広い分野で求められている能力だ。さまざまな分野において情報技術は不可欠であり、学際的な学びである他学部との「クロスオーバー」による新たな展開も期待される。

学長に聞く

教育通じて幸福実現へ

―大学の理念、ビジョンは。

平野光俊学長

建学の精神「STUDY FOR LIFE(生涯にわたる、人生のための学び)」をベースに新時代を見据え設定したのが、「大学ビジョン2030『一人ひとりの人生のウェルビーイングを 胸を打つ教育を通じて実現する 中規模総合大学』」です。中規模でありながら総合大学のダイナミックな「学修環境」や多様性あふれる知の交流を行う一方、小規模大学のようなアットホームな環境や学生一人一人と向き合う教育を同時に実現します。中規模だからこそ、地域の知の拠点として根ざし、機動的に地域と連携する学びを進めています。

―教育の特色、今後の計画は。

一つは「リベラルアーツ」。普遍的な知を幅広く学び、主体的に考える力を育むことを全学部で重視しています。もう一つは「クロスオーバー」。学部を超えた自由選択履修制度で興味に応じてさまざまな分野を学べます。一つのテーマに対し、異なる分野の複数の教員がそれぞれの専門からアプローチする多角的な視点の授業もあります。27年の情報学部開設で、今ある学部とクロスオーバーし、新しい学びが期待されます。

―どのような学生を求めていますか。

自分が何者であるか、まだ分からない。でも、何者かになりたいという若い人は多い。誰もが自ら輝き、周りを照らす人間になりたいという思いがあるはず。そういう意欲のある人に来ていただきたい。クロスオーバー制度を活用して幅広く学び、「1on1リフレクション」プログラムで教員との対話を通し自分の奥底にある資質、興味、関心を確信できるようになります。

在学生からのメッセージ

留学生への支援が充実

経営学部3年(ミャンマー人留学生) リンリンラインさん

私は旅行が趣味で、宿泊先でホスピタリティーに触れ、ホテル経営者を志すようになりました。同郷の先輩から勧められ、経営学部新設に運命を感じ、入学を決意しました。
経営学だけでなく「クロスオーバー」制度を活用し、必要だと思う授業も積極的に受講。観光関連の授業では、ホテル業界の人からレクチャーを受けたり学生たちでツアーの行程表を組んだり、有意義で独創的な内容です。英語、日本語を含めた4カ国の語学も学んでいます。先生と面談する「1on1リフレクション」制度ではたびたび相談に乗っていただき、ホテルでアルバイトをするきっかけになりました。
外国出身者や留学生が多く、彼らを支援する学生スタッフの活動にも力を入れ、国際交流のイベント企画や運営サポートを行い、充実した毎日です。

大学概要

住所 さくら夙川キャンパス=西宮市御茶家所町6の42
大阪大手前キャンパス=大阪市中央区大手前2の1の88
アクセス さくら夙川=JRさくら夙川駅徒歩約7分、阪急夙川駅徒歩約7分、阪神香櫨園駅徒歩約7分
大阪大手前=大阪メトロ谷町線・京阪天満橋駅徒歩約2~5分
学部
(2026年度定員予定)
国際日本学部(656人)、建築&芸術学部(696人)、現代社会学部(816人)、経営学部(700人)、健康栄養学部(352人)、国際看護学部(320人)
教員 教授69人、准教授32人、講師20人、助教17人、助手1人
在学生 3513人(5月1日現在)
ホームページ https://www.otemae.ac.jp/

 

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