社会に応じた人物教育

甲南大学 2026

甲南大学

社会に応じた人物教育

「人物教育の率先」を理念に掲げ、人文、自然、社会科学の8学部14学科1学環で約9千人が学ぶ甲南大学。「ミディアムサイズ(中規模)の総合大学」ならではの強みを生かし、専門教育、全学共通教育、正課外教育を連携させた「彩り教育」で、新しい自分を発見し磨き上げる。時代の要請に合わせた高度理系人材の輩出を目指す進化型理系構想も着々と進んでいる。

高度理系人材輩出へ学科改組

脱炭素、データサイエンスに対応

社会課題の解決、産業の変革を担う優れた理系人材の育成が求められる中、「進化型理系構想」を掲げ、理系3学部について学科の新設・改組、教育改革に取り組む。脱炭素、データサイエンスが必要とされる社会に対応し、「グリーン」「デジタル」「マテリアル」「宇宙・量子技術」「バイオ」をキーワードに高度理系人材の輩出を目指す。
学科構成が大きく変わるのが理工学部。2026年に「環境・エネルギー工学科」を新設し、「物理学科」を「宇宙理学・量子物理工学科」に、「機能分子化学科」を「物質化学科」に改組(以上、設置構想中)し、「生物学科」を含めた4学科体制とする。
特に環境・エネルギー工学科では「科学で持続可能な地球の未来を創る」をテーマに、太陽光発電、バッテリー、水素、資源・カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)などの材料科学について研究できる体制を整える。さらに垣根を越えた実践力を身に付け、環境・エネルギー産業分野で活躍する人材を育成する。
宇宙理学・量子物理工学科では、量子情報から宇宙・天体までの幅広い領域を最新の実験設備を活用して研究し、物質化学科では、次世代の社会を支える底力のある化学系人材となるため、化学の幅広い領域を学ぶ。生物学科では環境、生物多様性の視点から生物を研究し、探求する理系グローバル人材を育成する。
知能情報学部では人工知能(AI)とデータサイエンス中心の6コースの学びの組み合わせから、AI時代に必要とされる情報学分野横断型ゼネラリストを養成する。また、フロンティアサイエンス学部では26年から、創薬、医療、先端材料、食品・化粧品の四つの「サブコース」を用意し、将来の目標に合ったキャリア選択を後押しする。

27年春、新理系棟完成へ

2027年4月、岡本キャンパスに完成予定の「新理系棟」(イメージ図)

教育・研究の進化だけではなく、27年4月には岡本キャンパスに新理系棟が完成予定。学びや研究成果の発信、研究プロジェクト、実証実験などを積極的に展開するほか、学部や学科を超えて学生が集まれるようにする。また、地域ともつながる場とし、さまざまな価値観を持つ人と関わることで、予期せぬ「学び」や「人」との出会いを創出する。
今回の構想では、より高度な理系スペシャリストの養成を目指して、大学院への進学率を理系全体で30%まで引き上げる目標を掲げている。そのための大学院改組として26年、自然科学研究科に「環境・エネルギー工学専攻」を新設する。

SDGs実現へ取り組み

自治体提供の課題解決案発表

「人物教育」を現代の課題解決へと結びつける取り組みとして、「KONAN Action for SDGs」を掲げ、持続可能な開発目標(SDGs)実現に向けたさまざまな取り組みを行っている。
18年からは「地域の課題をSDGsで考える」をテーマに、甲南大生と高校生が自治体から提供された課題に対し、SDGsの17の目標を切り口に、解決策を考え発表する「関西湾岸SDGsチャレンジ」を行っている。企業や市民へのインタビューや現地視察から得た情報を基に調査、研究し、さまざまな世代との協働作業を通じ課題解決案を発表。自ら学び行動・発信できる人材を育成する。

市民参加の「マルシェ」開催も

昨年の「KOBE SDGsマルシェ」

24年12月には、本学が共催した「大学都市KOBE SDGsマルシェ」をキャンパス内で開催した。「観る」「学ぶ」「体験する」「買う」ことを通じ、子どもから大人までSDGsを体験する市民参加型の交流イベントで、SDGsに取り組む兵庫県や神戸市、さらには同市内の企業や大学などがそれぞれの取り組みを紹介。竹を使ったキーホルダー作りや、ユニバーサルスポーツの体験、地元農産物やフェアトレード商品などの販売も行われた。

世界基準で考える力を 複数言語圏へダブル留学

グローバル教養学環2年 厚東満帆さん

インドネシアに留学したグローバル教養学環2年の厚東満帆さん(中央奥)。地元の子どもたちと積極的に交流した

高校時代、国際問題に関心を持ったことをきっかけに、グローバル教養学環(STAGE)への進学を決めた。特長の一つである「複数言語圏へのダブル留学」を中心に、国際理解、言語運用力、異文化調整力を磨き、世界基準で考える力を養いたいと考えている。
STAGEの魅力は、1学年定員25人の少人数制と、13人の専任教員による充実したサポート体制にある。4年間のSTAGE演習(ゼミ)では、異文化間コミュニケーションなど幅広い分野を学ぶ。これまでの学びで印象的だったのは、ハワイ大学学生とのオンライン授業。食文化の違いを語り合う中で、異文化理解に加え、日本文化への再認識も得られた。授業は非常にハードだが、大きなやりがいを感じている。同じ志を持つ仲間の存在が大きく、互いに切磋琢磨(せっさたくま)することが成長の糧となっている。
今年2月には「ダブル留学」の一環でインドネシアを訪問し、現地の学校で日本語指導や文化を紹介した。言語の壁に直面しつつもジェスチャーを交えながら、生徒や先生たちとの交流を深めた。また、ホームステイや観光を通じ、宗教文化や生活習慣に触れ、新たな価値観を学んだ。この言語や文化の壁を超えた体験は、日本にいるだけでは得られないものであり、多様性を受け入れる姿勢を育む上で貴重な機会となった。次はカナダ留学を計画中。異なる言語圏での学びを通じ、広い視野と深い国際理解を身につけたい。

学長に聞く

個性を磨き未来開いて

―教育の特色は。

中井伊都子学長

甲南学園の創立者である平生釟三郎(はちさぶろう)は、学びの土台となる人間性の涵養(かんよう)を重視し「人物教育の率先」を理念として掲げました。それを現代において実践するための枠組みとして「専門教育」と「全学共通教育」、クラブ・サークルや留学、ボランティアなどの「正課外教育」の三つのバランスが取れた教育システムを用意し、多様な学びの機会から一人一人の好きなこと、得意なことを広げ、個性を磨く「彩り教育」の充実に取り組んでいます。

―「進化型理系構想」を推進しています。

開学時から取り組んできた正統派の理系教育に改めて光を当て、伝統的な良さを強化しながら時代のニーズに応えるため「進化型理系構想」を推進しています。特に理工学部では、2026年に「環境・エネルギー工学科」を新設する他、学びの内容を可視化すべく、物理学科を宇宙理学・量子物理工学科に、機能分子化学科を物質化学科に名称変更します。また、27年度には新理系棟を整備し、学部・学科・学環を超えて学び合い交流できる場とし、「人物教育」に基づく人間性を備えた彩り豊かな理系人材を輩出していきたいと考えています。

―受験生にメッセージを。

私も学部で専門演習を担当していますが、学生の成長ぶりにいつも驚かされます。自分の個性や可能性に気づいていない皆さんにこそ、ぜひ学んでいただきたいと思っています。約9千人の学生が、さまざまな分野で学び合うことができる「ミディアムサイズ(中規模)総合大学」だからこそできる「彩り教育」を通し、自身の個性に気づき、それを磨くことで未来を開くチャンスをつかんでください。

在学生からのメッセージ

学びの幅広く活動的に

文学部 社会学科3年 広中捺佑さん

オープンキャンパスに参加し、学舎、学生の雰囲気が穏やかで自分に合っていると感じました。そして学部紹介の中で興味を持った文学部社会学科への入学を決めました。授業は座学だけでなくインタビューやアンケートを基に分析するなど実践的な学びが多く、先生が学生に丁寧に向き合ってくれるのを感じます。所属学科の枠を超えて学べる「リンク・プログラム」を活用して人間科学科の授業も取ることができ、学びの幅も広がりました。
オープンキャンパスを企画・運営する学生団体「KONAN Ambassadors」に所属し、学科ごとに個別相談できるブースを出しています。統括を任され、学生のチームワークを高める研修の企画・運営もしています。その経験から責任感と行動力が養われ、周囲から活動的になったと驚かれています。

大学概要

住所 岡本キャンパス=神戸市東灘区岡本8の9の1
西宮キャンパス=西宮市高松町8の33
ポートアイランドキャンパス=神戸市中央区港島南町7の1の20
アクセス 岡本=阪急岡本駅徒歩10分
西宮=阪急西宮北口駅徒歩3分
ポートアイランド=ポートライナー計算科学センター駅徒歩3分
学部
(2026年度定員予定)
文学部(405人)、理工学部(175人)、経済学部(335人)、法学部(330人)、経営学部(335人)、知能情報学部(120人)、マネジメント創造学部(170人)、フロンティアサイエンス学部(45人)、グローバル教養学環(25人)
教員 教授177人、准教授41人、講師15人、助教2人
在学生 8955人(5月1日現在)
ホームページ https://www.konan-u.ac.jp/

 

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