共創社会に沿う学びへ

【2025年4月名称変更予定】園田学園大学 2025

園田学園大学

共創社会に沿う学びへ

園田学園女子大学から名称変更予定の園田学園大学は、2028年4月までに3年間かけて段階的に男女共学化を進め、学部学科の改編や教育改革にも取り組む。初年度の25年4月は全3学部のうち「経営学部」と「こども学部(人間教育学部から名称変更予定)」で共学化を実施。女子大学のきめ細かく手厚い教育はそのままに、共創社会へと変化する現代にふさわしくボーダーレスな学びを展開していく。

経営学部 2025年春に男女共学に

地域と連携し「課題解決型学習」

福崎町の先進的な宿泊施設を見学する経営学部の学生たち。町が推進する観光施策の課題解決を一緒に考え、提案していく

2025年4月から男女共学となる「経営学部」は、男子に最も注目してもらいやすい看板学部になるだろう。21年4月当時、全国でも数少ない「女子大学の経営学部」として誕生し、未来社会をマネジメントする力を培ってきたが、共学によってさらにパワーアップを図る。また大学全体でビジネスマインドを学ぶという共通項があり、経営学部は他学科の模範としてもリーダー的役割を担っていく。
経営学部では尼崎という阪神間での利便性の高い立地を生かし、これまで以上に地域と連携し、商品開発や地域活性化といった「課題解決型学習(PBL)」の取り組みを実施。1年次からこの反復を繰り返すことでビジネスに欠かせない課題解決力を身に付ける。

福崎町非公認妖怪キャラクター「ガジロウ」をモチーフにした「フェイスパック」の商品化を果たした学生たち

これまでも、さまざまな企業や団体と連携してPBLを実践してきた。例えば兵庫県福崎町から依頼を受けて、同町が課題とする観光推進のための施策提案をするプロジェクトでは、同町出身の民俗学者・柳田国男の著書から着想された妖怪「ガジロウ」をモチーフにした土産用の「フェイスパック」を22年に商品化。23年にはイベントでのカフェ出店、さらに、親子向けの妖怪ナイトツアーも24年夏の開催に向けて準備するなど、継続的に取り組んでいる。「塚口商店街調査」「伊丹ビジネスアイデアコンテスト」など、地元や周辺地域の活性化にも取り組んでいる。

4年生一人一人に外部メンター

福崎町非公認妖怪キャラクター「ガジロウ」をモチーフにした「フェイスパック」

プロジェクトでは教員に加え、実務経験豊富な経営者や地域の非営利団体、自治体の職員らが学生のビジネスプランや研究テーマの実現をサポート。25年度からは学生一人一人の希望に合わせてマッチングを図り、最終的に4年生には外部メンターが1人ずつ寄り添うという、さらに手厚い教育環境も実現する。
同学部の教授でもある大江篤学長は「小規模大学だからこそ、そして本学を応援したいという地域のプレーヤーさんに恵まれているからこそできる取り組み。共学化を機に、地域とつながり経験値を高める本学ならではの『経験値教育』をますます充実させたい」と話している。

人間健康学部 食マネジメント学科 強みがある管理栄養士を育成

食プロデュース分野に学び拡大

2023年にグランプリに輝いた「百日どりに恋した発酵カレー」

「人間健康学部」計3学科の共学化は26年度以降に行われるが、先立って25年4月に「食物栄養学科」が「食マネジメント学科」へと名称の変更を予定している。これまでは国家資格・管理栄養士を育てる学科として「栄養学」を中心に学んできたが、今後はもっと広く「食」に焦点を当てていく。「管理栄養士の養成と並行して、食プロデュース分野の新たな学びも展開し、食べたり料理したりするのが好きな若者が楽しく学べる学科を目指す」と食マネジメント学科の渡辺敏郎学部長。
この学科で近年実績を上げているのが、食品開発の取り組みだ。20年から食品メーカーなどの企業と連携し、学生自ら企画した商品を開発・販売している。兵庫と大阪の9大学の学生がテイクアウト用のオリジナルカレーを考案して売り上げを競う「宝塚カレーグランプリ2023」で同大学の「百日どりに恋した発酵カレー」がグランプリを受賞。20年に開発した日本初の栄養機能食品マヨネーズは健康志向の消費者に支持され続ける人気商品で、24年はパッケージのリニューアルに取り組む。

産学連携の食品開発に実績

「百日どりに恋した発酵カレー」を考案した食物栄養学科のメンバー

これまで産学連携の食品開発は参加希望者がチームを編成して長期的に取り組んできたが、学科改編を機に全員がカリキュラムの中でも学べるようになる。「自分たちの好みや流行に乗った食品開発ではなく、世の中のニーズを考えパッケージを含めて売れる食品を考えるのが食マネジメント。学生の満足度や成長度に加えて企業からの注目度も高く、就職活動で強みとして生きる」と渡辺学部長は話す。

こども学部こども学科 成長に寄り添う「こどものプロ」育てる

教員養成など3コース

24年度までの「人間教育学部児童教育学科」は25年4月から「こども学部こども学科」と名称の変更を予定しており、共学となる。女子大時代は幼保教育を専攻する学生が多かったが、共学化で小・中学校の教諭を目指す学生の増加が想定されるためコース改編も実施。子どもについてより総合的に学べる学科へと進化する。
保育士や幼稚園教諭を目指す「幼児教育コース」、小学校教諭、中学校教諭(英語)の免許取得を目指す「教員養成コース」、資格を意識せず子どもについて広く学ぶ「こども総合コース」の3コースから選び、2年次終了までコース変更が可能だ。

子ども向けイベント企画運営、ICT教育も

学外イベントで子どもたちと一緒に楽しむ児童教育学科の学生たち。実践活動「ここ活100!」の一環で、企画運営も携わる

特長的な学びは、スポーツや音楽、英語や造形など多分野の100に上る実践活動「こども学部こども学科活動100!(ここ活100!)」。全活動にポイントが与えられ、高ポイントをためた学生が表彰を受ける仕組みだ。リレーやダンス、綱引きなどを子どもたちと安全に楽しむ「川西阪急ハロウィンイベント」の企画・運営は、児童教育学科時代から続くメインコンテンツ。他に子ども向けコンサートの企画運営、カウンセリングの実践、ドローンやプログラミングなどのICT教育など、学内外を舞台にした豊富な内容をそろえる。近藤綾学科長は「資格取得にとどまらず、自分の武器を身に付けたり人間性を高めたりして将来の活躍につなげる活動。1~4年生が異学年で協働するメリットも大きい」と話す。

学長に聞く

共学化進め第二の開学

―2025年度から共学化に取り組まれます。

大江篤学長

園田学園は地域の女性の高等教育振興を図るため、1938年の設立以来80年以上の歴史を積み重ねてきました。しかし近年は、多様な価値観を持った人々が対話を重ねる共創社会へと変化しています。その変化に応じて女性だけにとどまらない新たな学びの場として進化するため、段階的に共学化に取り組みます。共学化を第二の開学と位置付けて、大学名を「園田学園大学」に変更し、学部学科の改編や教育改革も実施します。他分野と掛け合わせた教育を展開するなど、これからの社会にふさわしい多様性のある学びに進化させます。

―段階的とは。

学園創立90周年を迎える2028年4月までの3年をかけたプロジェクトで、まず初年度は3学部のうち2学部を共学化します。また伝統ある女子大だからこそ本学を選んだという学生にも配慮し、キャンパスの一部に女子学生限定エリアを確保するほか、共学化学生プロジェクトを立ち上げるなど学生の意見を取り入れながら改革を進めます。

―共学化のテーマは。

「学びたいすべての人へ」が共学化のテーマです。本学は45年前から生涯学習に力を入れ、地元の企業や団体と連携してプロジェクトを進めるなど、地域とともに歩んできました。その土壌を生かし、性別や年代、立場を超えて学びたい全ての人が成長し合える場所づくりを進めていきます。女子大のきめ細かく手厚い教育はそのままにボーダーレスな教育環境を整備し、「経験値教育」に一層磨きをかけていきます。

在学生からのメッセージ

U19代表で貴重な経験

人間健康学部 総合健康学科 養護コース2年 日高心さん

高校生の時から園田学園女子大学にバレーボール部の練習試合でよく来ていて、チームワークのよさに好印象を持っていました。実際に進学してバレー部に入ると、イメージ通り学年関係なくメンバーの仲がよくて、内気だった私も積極的にプレーができるようになってきました。そのおかげで長身を生かしたトスワークにも磨きがかかり、昨年はU19日本代表に選ばれて海外で貴重な経験を得ました。在学中に全日本インカレで上位に入れるように、セッターとしてさらにチーム力を向上させたいです。学業面では、保健室の先生のような子どもたちに寄り添った仕事が自分の性格に合っていると考えて養護コースを選びました。現場をよく知る先生方の授業は説得力があって発見がいっぱい。恵まれた環境の下、実践力を伸ばしていきたいです。

大学概要

住所 尼崎市南塚口町7の29の1
アクセス 阪急塚口駅徒歩10分、阪神尼崎駅から阪神バス13系統阪急塚口行き(11分)南塚口町1丁目下車すぐ、JR立花駅から阪神バス14系統阪急塚口行き(7分)園田学園女子大学下車すぐ
学部
(2025年度定員予定)
経営学部ビジネス学科60人▽こども学部こども学科80人▽人間健康学部=総合健康学科95人、人間看護学科80人、食マネジメント学科80人
教員 教授37人、准教授20人、講師8人、助教10人、助手9人
在学生 1144人(5月1日現在)
ホームページ https://www.sonoda-u.ac.jp/

 

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