専門職への学び究める

神戸常盤大学 2025

神戸常盤大学

専門職への学び究める

「医療」と「教育」を主軸に、専門職業人の育成を目指す神戸常盤大学。2025年度から保健科学部(医療検査学科、診療放射線学科、口腔(こうくう)保健学科)、看護学部(看護学科)、教育学部(こども教育学科)の3学部5学科体制になる。こども教育学科は保育・幼児教育と義務教育の2コース制。いずれの学部も少人数教育や実学重視のほか、入学前から卒業後までを視野に入れた学びのつながりを重視している。

こども教育学科

子どもの健康学ぶ科目充実

「保育・幼児」と「義務教育」の2コースがある「こども教育学科」。2023年度の就職率はいずれも100%を誇る

保育士や幼稚園教諭1種免許状の取得を目指す「保育・幼児教育」と小学校教諭1種、中学校教諭1種免許状(理科)の取得が可能な「義務教育」の2コースがあり、23年度の就職率はいずれも100%を達成している。学科全体で学年も超えてつながりを大切にする「ときわ学びの森」プロジェクトがスタート。また子どもの健康や安全について深く学ぶ独自プログラムが充実し、「医療の知識に通じた保育士や先生を育成できるのは本学ならではの強み」と濵田道夫学長は話す。

子育て支援施設、付属幼稚園で実践

「てらこや」で、小学生の学習サポートをする学生

神戸市内4カ所で展開する子育て総合支援施設「KIT(きっと)」に付属幼稚園を合わせた計五つの付属施設を持つのが特長で、両コースともキャンパスだけにとどまらない実践的な学びの場が豊富に用意されている。KITには未就学児と交流して保護者の悩みも聞く「ときわん」、宿題などをサポートしながら小学生と関わる「てらこや」があり、学生はスタッフとして関わる。看護学科の学生は、触れ合いを通して小児看護学の学びに役立て、口腔保健学科の学生は虫歯予防について親子に指導するなど、こども教育学科以外の学生もKITを活用している。
さらにこのほど、「保育演習室・子育て支援室」「理科実験室」が新設された。保育演習室・子育て支援室では、実際の保育場面を想定した模擬保育など、多様な体験型授業や活動を通じて現場で求められるスキルを習得できる。理科実験室では、物理、地学、生物、化学を実践的に学び、実験を通じて原理や現象を直接体験しながら、学びの楽しさと教える喜びを実感できる。

 

口腔保健学科

高度な専門技術習得 学内の歯科診療所で実習

2022年度に4年制に移行した「口腔保健学科」。幅広い歯科衛生士の業務に対応できるハイレベルな専門技術を習得する

国家資格・歯科衛生士に必要な技術と知識を養う。22年度に短期大学部から移行し、県内で初めて四年制大学の口腔保健学科となった。
最大の特色は、4年制ならではのカリキュラムにある。歯科衛生士の業務には予防処置や診療補助のほか保健指導もあり幅広い。歯科衛生士に必要な基本スキルに加え、病院での入院や手術前後の患者の口腔ケア、地域での健康教育や訪問歯科など、3年制では学べないハイレベルな専門技術を選択制で身に付けられる。

学内にある歯科診療所「はあみる」は地域住民の一般診療にも対応している

一般診療を行う大学付属の歯科診療所が学内にあるのも魅力。歯科医師、歯科衛生士の教員が臨床現場で直接指導し、学生らの実践力を磨く実習の場として機能している。学生が父母らに歯石除去や歯科保健指導などを行う保護者参加型実習も好評だ。
また、大学では義務付けられていない歯科検診を実施して全学生の口腔の健康をバックアップするなど、口腔の健康を通じて生活の質(QOL)向上に貢献している。

看護学科

学部昇格に合わせ新科目続々

2025年4月から学部に昇格、「看護学部看護学科」として新たなスタートを切る

25年4月、看護学科が看護学部看護学科になって新たなスタートを切る。01年に県内の私立短大として初めて看護学科を設立。08年から4年制となり、医療系の保健科学部の1学科となっていた。時代の変化とともに、病院だけでなく学校や地域、企業などへと看護の活動の場が広がっている。幅広いフィールドで看護資格を生かして長く活躍できる人材を育成する狙いだ。
学部昇格に合わせて、学生のうちにさまざまな経験を積み重ねる「看護アラカルト」、主体性を持って将来の夢を現実に近づけるための「キャリアリフレクション」の新科目を設置。4年次の卒業前には「看護の動向と展望」の科目も新設し、卒業生と一緒に臨床現場の課題を議論しながら各自の看護力を何に生かせるか考え合う。
さらに働き始めたばかりの新人看護師を支援するため、卒業後の2年間に大学と臨床現場が連携してさまざまなサポートを行う。リカレント教育(社会人の学び直し)の体制も整え、卒業後の学習支援をますます充実させる。

医療検査学科

国際学生シンポに13年連続選出

50年を超える臨床検査技師養成の実績がある

人から採取した血液や尿、組織などを調べる検体検査、心電図や超音波検査などの生理検査を行う臨床検査技師を目指す学科。50年超の臨床検査技師養成の歴史と実績があり、多くの卒業生が県内病院を中心に活躍している。臨床検査技師の中でも、正常な細胞からがん細胞を探し出す細胞検査士の養成課程は近畿の大学で初めて設けられた。
大学病院の技師長経験者や国内外の専門学会で活躍するスペシャリストなど、専門性の高い教員がきめ細かに指導。また本学の学生は各種国際学生シンポジウムの日本代表に13年連続で選出。海外在住経験のある教員から英語によるプレゼンテーションの手法の手厚い指導を受けて本番に臨んでいる。

診療放射線学科

実践を重視し最新設備活用

実践を重視した少人数教育が特長の「診療放射線学科」

現代医療に欠かせない診療放射線技師を育てる学科として20年度に開設。1期生の診療放射線技師の国家試験合格率は87.3%で、医療現場以外の放射線使用施設でも必要となる第1種放射線取扱主任者の難関試験にも5人の合格者を出した(いずれも23年度)。
実践を重視した少人数教育の下、学内の最新設備を使用しながら高度な技術を習得。それだけでなく、東日本大震災の震災復興過程を学んで原子力災害や医療安全の重要性を考える「福島スタディツアー」を22年度から実施しており、放射線を扱う専門職としての意識も高めている。

学長に聞く

医療と教育を2本柱に

―教育の特色は。

濵田道夫学長

本学は1908年に創設された私立家政女学校がルーツで、67年に神戸常盤短期大学を開学、2008年に四年制大学となりました。実学を重視する建学の精神を受け継ぎ、「医療」と「教育」を2本柱として、社会に貢献できる専門職業人の育成に力を入れています。教育の核とするのが、本学独自の接続学修「リエゾン・モデル」。入学前から卒業後までスムーズな移行を図ることで、段階的に専門性を高める支援を行っています。その一環として取り組む初年次教育「まなぶる▶ときわびと」は学外からも高評価を受けるオリジナル科目。職業教育にかたよらず、学科を超えてチームで学ぶ力を身に付ける目的です。地域に根差した子育て支援施設、住民も受診する学内の歯科診療所などで実習を行うほか、海外研修や国際シンポジウムへの参加、国際保健室活動などを通じてグローバル化や多文化共生も進めています。

―新しい取り組みは。

25年度に看護学科が学部に昇格し、保健科学部、教育学部と合わせて3学部編成となります。本学は20年度に兵庫県内初の診療放射線学科、22年度には県内で初めて四年制の口腔保健学科を開設するなど、進化を続けてきました。社会の変化に合わせて看護の活動の場が広がる中、新しいスタートを切る看護学部でも固定観念にとらわれず看護の可能性を切り開きます。

―どんな学生を求めるか。

卒業生たちは高い国家試験合格率や就職率を維持し、県内外の医療や学校現場で活躍していますから、夢やチャレンジ精神を持って自らの可能性を追求する人に来てほしいです。そのお手伝いができる日々を楽しみにしています。

在学生からのメッセージ

広い視野持つ保育士に

教育学部 こども教育学科2年 井上華瑠さん

母の姿を見て、保育士はやりがいのある仕事だと感じていました。オープンキャンパスに参加した時、地域の親子向けに「子育て総合支援施設KIT」を運営していると知り、志望しました。スタッフとして支援に携わることができ、保護者から子育ての悩みなども実際に聞くことができるのは、通常の実習とは異なる貴重な経験です。1年次に学科を超えてグループワークを行う「まなぶる▶ときわびと」では、教育学部の学生と同様にチームワークが必要な医療系の他学科の学生が一つの課題に取り組み、自分の役割を考え、話し合いをうまく進めるにはどうしたら良いかなどコミュニケーション力や協調性を養うことができました。将来は自分と異なる意見も尊重できる視野の広さを持ち、子どもだけでなく保護者にも寄り添える保育士を目指したいです。

大学概要

住所 神戸市長田区大谷町2の6の2
アクセス 神戸高速鉄道西代駅徒歩9分、JR新長田駅徒歩15分
学部
(2025年度定員予定)
保健科学部(225人)、看護学部(85人)、教育学部(80人)
教員 教授49人、准教授17人、講師35人、助教8人、助手1人
在学生 1568人(男子296人、女子1272人)(5月1日現在)
ホームページ https://www.kobe-tokiwa.ac.jp/univ/

 

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